不動産売却のスケジュール管理。売却活動に必要な期間はどれくらい?

『所有不動産を売却する』という作業は、長い人生の中でも多くあることではありません。

住宅ローン、税金、権利関係など確認しなければならない項目が意外と多く、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

これら数ある不安の中から今回は、『売却期間』にスポットをあて不動産売却の不安を解消していきます。

これまで、具体的に考えたことのない方も多いと思いますが、住み替え理由で圧倒的に多いのは『より良い住まいに住み替えるため』です。

売却活動というけど具体的に何をするの?

そもそも、不動産の売却活動とはどんな事をするのでしょうか?大きく4つの項目に分ける事が出来るので、各項目ごとに具体的な内容と想定期間を確認していきます。

Step1.価格査定(想定期間:2~3週間)

売却活動を開始するには、まず『物件価格』を決める必要があります。

所有者自身で売却価格を決める事も出来ますが、不動産業に従事している人以外では情報量が少ないため、市場動向などを含めた正確な売却価格が分かりません。

この事から、多くの方は不動産仲介会社に所有不動産の査定を依頼します。査定を行う方法は、主に『机上査定』、『訪問査定』の2種類です。

『机上査定』とは、物件の個別条件を考慮せず、物件概要(広さ、駅距離、築年数、間取り、方角など)と近隣成約事例で行う査定方法です。

ここでの査定価格は、概要のみで算出しているのであくまでも参考価格です。物件の査定価格というよりは、エリアの相場観を養うという感覚でしょうか。

次に『訪問査定』です。先ほどの物件概要に、室内のコンディションや日当たり、眺望などの個別条件を付けくわえます。

当然、これらの個別条件は査定価格に大きく影響を及ぼします。仮に、同立地に同条件(広さ、築年数、間取りなど)の不動産があったとします。

一見すると「同じ査定価格になるのでは?」と思う方が多いと思いますが、必ずしもそうとは言い切れません。その理由は、先ほどの個別条件がプラス要因もしくはマイナス要因となる場合があるからです。

これらの要因も考慮するので、訪問査定はより正確な査定価格という事が出来ます。物件の査定方法を確認したら査定時の注意点です。

査定依頼をする際に1点だけ注意して頂きたい事があります。それは必ず複数の不動産会社に依頼をするという事です。

査定価格はもちろんのこと、販売方法、サービス内容などあらゆる面を比較しなければより良い不動産売却を実現する事は出来ません。

この作業を手間に感じる方もいるかもしれませんが、一括無料査定サイトを利用して頂くことでこの問題は解決できます。同時に複数の不動産会社に無料査定を依頼する事が可能なので、手間なく効率的に作業を進める事が出来るので時間的な負担はあまり感じないはずです。

Step2.売却活動を依頼する不動産仲介会社の選定(想定期間:1~2週間)

各社の査定価格が出そろった後は、仲介会社の選定です。

先述の通り複数の不動産会社に査定依頼をした場合、その中から実際に売却を依頼する不動産会社を選び、『媒介契約』を締結しなければいけません。

媒介契約には『一般媒介契約』、『専任媒介契約』、『専属専任媒介契約』の3種類があります。

簡単に違いを説明すると、一般媒介契約は複数の不動産会社に売却依頼をする事が出来、専任・専属専任媒介契約は1社のみにしか売却依頼をする事が出来ません。

ここで注意したいのが専任、専属選任契約です。

これらの契約は1社のみにしか売却依頼をする事が出来ず、基本的には特別な事情がある場合を除いて媒介契約期間中は仲介会社の変更は出来ません。

契約期間は最長で3か月となるので、仲介会社の選定を間違えてしまうと、まるまる3か月を無駄にしてしまう事となるので仲介会社の選定は慎重に行わなければいけません。

価格査定終了後1週間~2週間を想定していますが、3か月をロスするリスクもあるので、場合によってはより時間を使って

仲介会社の選定を行っても良いでしょう。

Step3.物件の売却活動(想定期間:3~4カ月)

不動産会社の選定が完了したら、販売活動の開始です。インターネット広告、新聞折り込み広告、住宅情報誌など各種媒体を利用して不動産情報を市場に開放、興味を持って頂けるお客様を募ります。

では、具体的にどれほどの問い合わせを得れば、売買契約が成立するのでしょうか?

簡易的なデータにはなりますが、不動産売買における歩留まりはおおよそ10%と言われており、最低でも10組の問い合わせを得る事を想定しておかなければいけません。

不動産会社の営業担当に依頼をすれば詳細な問合せ状況を確認する事が出来るので、円滑に売却活動を進めていくためにも状況に応じて価格変更などの適切な対策を講じて下さい。

Step4.物件引渡しまでの諸手続き(想定期間:2~3か月)

不動産売買契約が完了したら、お引き渡しに向けての作業です。物件の引渡し期日は売買契約書に明記されており、個人間売買の場合では、『売買契約日から3か月以内』の期間が定められるケースが多くなります。

それでは、引渡しまでの間にどのような作業をしなければいけないのか売主、買主双方の内容を確認します。

1.売主

  • 抵当権の抹消手続き
  • 引越しの諸手続き
  • 所有権移転の手続き
  • 管理費・修繕積立金などの清算(マンションなど共同住宅の場合)

2.買主

  • 住宅ローンの本審査
  • 金銭消費貸借契約の締結
  • 引越しの諸手続き
  • 自己資金の準備
  • 所有権移転の手続き

これらの作業のうち、スケジュールに大きく影響を与えるのが『住宅ローンの本審査』と『金銭消費貸借契約の締結』です。

約1週間の審査期間、公的書類の提出、金融機関とのスケジュール調整などが必要となるので、意外に時間がかかります。

売買契約が終了したら、即引渡しが出来るというわけではないので、多少長めの期間を想定して下さい。

※物件種別(マンション、一戸建)や住宅ローン利用の有無により作業内容は異なります。

売却期間に1番影響を及ぼす項目は?

ここまで、不動産売却における具体的な項目を確認してきましたが、査定依頼から物件の引渡しまでの想定期間は約8カ月です。

ただし、これは円滑に売却活動を進めることが出来た場合なので、ケースによってはさらに長くなる可能性もあります。

不動産売却において最も難しい作業は『売却活動』です。先述させて頂きましたが、1つの目安として1物件につき10件の問い合わせを得なければなりません。

これが不動産売却の中での不確定要素となり、あなたを悩ます大きな問題となる可能性があるのです。

ここで、しっかりと認識して頂きたいことは、『査定価格=売却金額』ではないという事です。仲介会社の選定も行っていますから、あなた自身は『適正な物件価格であると』考えているはずです。

ですが、物の価値はあなた自身の絶対評価ではなく、購入検討者による相対評価によって決まるので、問い合わせが得られなければ価格改定を含めた諸条件の変更を検討しなければいけません。

諸条件を変更したからといって即座に結果にむすびつくというわけではないので、『売却活動期間』は可能な限り長めに確保できるようにしておくと良いでしょう。

『平均売却期間』で損をする?売却理由で大きく変わる売却期間

記事内では使用していない表現ですが、『不動産 売却期間』をキーワードにしてインターネット検索をすると『平均売却期間』という表現をたびたび見かけます。

平均と聞くと、「このくらいの期間で不動産を現金化する事が出来るのか」と思ってしまいがちですが、あまり参考にしてはいけません。

『売却理由』や『想定している想定売却希望時期』が各家庭で異なるため、実際に売却期間の平均値を算出する事は不可能なのです。

それでは、売却理由の違いによる3つのケースを確認してみましょう。

ケース1.現金が必要となったため指定の期日までに不動産を現金化しなければいけなくなってしまった

このケースでは、現金が必要な時期が定められているので、指定の期日までに不動産を必ず現金化しなければいけません。

想定売却期間を8カ月とお伝えしておりますが、指定の期日が半年後の可能性もありますし、3か月以内の可能性もあります。

時間的な縛りがある状況下で不動産売却を行う場合、所有者の希望条件(売却価格、引渡し条件など)よりも期日が優先されます。

一般的な不動産売却では、ここまで期日を優先させることはまれなので、特殊なケースと言えます。

ケース2.不動産価格が上昇しているので今が売り時だと思った

不動産価格は景気の変動や金利動向、駅前再開発など、外的要因によって大きく変動します。最近では、湾岸エリアのタワーマンションをはじめ都心部エリアの不動産価格が上昇し、「購入時よりも不動産価格が高くなっている」という話を耳にする機会が増えています。

このことから、『不動産の売却益』を求めて売却活動を行うケースがとても多くなりました。

このような方たちは「この金額であれば売却しても良いかな」という感覚なので、必ず不動産を売却しようとは考えていません。

逆に言うと『良い条件でなければ不動産は売却しない』という事なので、期日よりも売却価格を重要視しています。

物件の諸条件によっても異なりますが、新築分譲時よりも金額が高くなっているわけですから、基本的には売却活動の期間は長くなります。

ケース3.実家を相続する事になったので売却する

皆さんの身近にも「実家を相続することになった」という方がいるのではないでしょうか。

相続と通常の住み替えで大きく異なる点は、『ローン(家賃)の二重払いが発生しない事』です。

一般的な住み替えでは、新居の支払いと既存住宅ローンの支払いが重なってしまう危険性もあるため、引っ越すタイミングに合わせて売却活動を完了させなければなりません。

けれども相続の場合では、ローン(家賃)の支払いが発生する事が基本的にないので、期限を設けずに自分のペースで売却活動を行う事ができます。

今回取り上げた3つのケースからもお分かり頂けると思いますが、売却理由は売却期間に大きな影響を与えます。

「平均売却期間は〇〇カ月です」という曖昧な数字を参考にするのではなく、売却希望時期から逆算したスケジュール管理を必ず行って下さい。

売却活動のスケジュール管理はしっかりと!ゆとりを持ったスケジュール管理が売却活動を成功させる!

ここまで、不動産の売却活動について確認してきました。あなたの印象では『売却想定期間8カ月』は長いですか?短いですか?

理想的には、万が一の事態も考慮して10カ月の売却期間を想定して頂きたいところではあります。では、なぜ時間的なゆとりを持つことが大切なのでしょうか?

先述させて頂きましたが、お客様からの問い合わせ状況によっては価格変更を含めた売却条件の変更を行わなければなりません。

この時、重要になるのが『どの程度の価格幅で価格変更を行っていくのか』ということです。

下げ幅が小さければ効果はありませんし、下げ幅が大きすぎると損をしてしまう危険性が高くなります。市場の反応を考慮して価格変更は慎重に検討しなければいけないのです。

この時、時間にゆとりのある人は『極力小さな価格幅で複数回の価格変更をする』という手法を選択する事が出来ます。段階的に価格変更を行い市場の反応を見極め、必要以上の価格変更を防ぐのです。

逆に、時間にゆとりのない人は、段階的に価格変更をする余裕がないので、インパクトのある大きな価格変更を行わなければいけません。そのため、想定よりも売却価格が低くなる可能性が高くなります。

時間にゆとりを持てば確実に高く売れるということではありませんが、可能性は大幅に高めることが出来ます。

売却活動をしている多くの人は「より高い金額で売却をしたい」と考えているはずです。

  • 『価格改定』
  • 『売却条件の変更』
  • 『市場の反応を確認する』

この3つの作業をどれだけ段階的かつ効果的に行えるかが、あなたの不動産をより高く売るための重要な要素です。

お金も知識も必要ありません。とにかく『時間のゆとりを確保する』、こんな簡単なことだけで、より高くあなたの不動産を売却することが出来るかもしれません。

これから不動産売却を検討するという方、是非実践してみて下さい。

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