2-1 土地、建物の概要を知ろう

前項では、不動産を相続するまでに必要なことを一通り網羅しました。今回のコラムでは、実際に取得して自身の所有になった不動産について詳細に把握し、その活用の道を探る基礎を作るまでを説明したいと思います。

皆さまパッと見にはお馴染みかと思います上の画像、そう、不動産屋さんの店頭によく掲示されているチラシですね。

このチラシは、正式な名前を「物件概要書」と言います。

チラシとしてももちろん利用しますが、業者間取引において物件売買や媒介のファーストコンタクトにおいて正式に資料として取り扱われます。

不動産業に従事する人が物件を取り扱う上で知りたい情報を全て1枚の紙に収めてあり、一目見ただけでその物件の姿を正確に捉える事が出来る非常によく出来たテンプレートです。

具体的な内容としては物件の外観、内観写真と共に、所在地の建築に関わる法令上の制限や登記簿謄本に記載されている事項(個人情報を除く)についてすべて一覧として網羅されてあり、備考欄には重要事項説明に必要な情報等も記載されています。

この中に記載されている情報は全てこれからあなたの物件を活用する上で必要不可欠な情報です。まずは所有物件の物件概要書を自分なりに作ってみましょう。

2-2 住むのと売るの、どちらがお得?

活用の道を探るうえでまず一番に考えるのは、自身で物件を使用するのか否か。不動産に関しては、家の中にあるストック品と違い、使うことにその価値があります。

母屋を相続してもご自身がマイホームをお持ちならそこに住む必要はありません。

収益アパートを相続してもそこに入居者がいなければ意味がありませんね。

特集の中で後にその内容について触れることがありますが、不動産を放置しておくことに掛かるコストは非常に大きく、空き家問題が重要視されている現在において更にその負担は増加の一途を辿っています。

使い道がないのであれば、早急に売却して現金に換え、早々に遺留分の支払いに回すのが賢明です。

活用の方法として、一番ポピュラーな方法は賃貸です。毎月決まった賃料収入が入るので、維持費やメンテナンス代を賄ったうえで副収入も見込めます。

最近では民泊ブームでシェアハウスとして相続物件を流用している方も増え、その利回りには目を見張るケースも見られるようになりました。

他にもコミュニティスペースとして貸し出したり、小規模のデイサービス等、介護環境の充実にも一役買っているようです。

2-3 リフォーム、建替えに関する注意事項

活用するという方向性が決まれば、古くなった部分を新しいものに取り換えたり、改装をしたりして使い勝手を向上しますが、ここで注意点を説明しておきましょう。

水回りや内装のリフォームについては特に制限はありません。一度建物を空洞の状態にしての古リフォームも可能です。

しかし外装について、ウッドデッキやサンルーム、カーポートを増設する場合、これらは現行法ではすべて建物の延床面積に算入されます。

もし建物が土地面積に対し、建築できる目いっぱいの面積で建てられている場合は、これらの増設はできませんのでご注意ください。

内装についてロフトや屋根裏部屋を作る際にも同じことが言えます。

建築可能な面積については、物件概要書の制限の部分に建ぺい、容積率の記載があります。土地面積にこの割合を掛けると算出できるので参考にしてください。

2-4 立地で違う、その活用法

相続不動産が住居でない場合や、その面積が広すぎて、賃貸に出しても借主が付かないなど、一筋縄ではいかない物件も実際には存在します。

そんな時にはもっと視野を広げ、プロの意見なども取り入れながらその活用の方向性を探っていくことになるでしょう。

ここでも物件概要書を参考に考えます。ご覧になるところは主に用途地域です。

店舗兼住宅については例外ですが、低層住居専用地域に大規模商業施設を建設することは出来ませんし、まず周辺道路の利便性などを考えると集客が見込めません。

このように、土地活用にはその周辺のニーズに合ったプランが必要になります。

事例や全国各地の取組などをネットで検索してみると、目から鼻に抜けるようなクールなアイディアに遭遇することもしばしばあります。事例を参考にすることで、イメージは膨らんでいくことでしょう。

2-5 困ったときのプロの知恵

土地活用の方法を一人で考えるのは、プロであっても大変面倒で難しい事です。ある程度のベースが出来たり、考えに詰まった場合は、プロの意見を参考にしましょう。

近隣の事例や成功ケースなどを多数みてきたプロは、支店が違いますし、プランニングやざっくりした収支の計算まで大体のイメージで瞬間的にできるものです。

目的物件の近所で長く不動産業や内装業を営んでいる方なら、面白いアイディアや意見を持っているかもしれません。積極的に当たり、話を聞いてみると、展開が面白くなってくるでしょう。

2-6 まとめ

不動産に関しては他の何よりも複雑な要件をすべて頭に入れた状態で活用の方向を模索していく必要があります。間違っていれば結果として活用につながらず、ともすれば損害を被る危険もあり、金額の大きいものだけにそうなると人生そのものを揺るがすような大きな失敗につながります。

確かにすべてプロに任せてしまえば大きな失敗はありませんが、複雑故の大きな楽しみをぜひ所有者の皆様自身に味わっていただきたいと、筆者はプロの一人として常々考えています。そして一人で悩んでいてもその答えは永遠に出ることはないでしょう。

規模の大きい案件であれば、地域や行政の支援策、補助案があることもあります。本コラムを読んだ皆様が、自己所有の物件を活用することで明るい街づくりに興味を持って頂く事が出来たら、筆

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