競売の流れと任意売却に持ち込むのであれば、どの段階から入るのがベストなのか?

  • 競売手続きの流れとは?

保証会社が銀行へ元住宅ローンを代位弁済して、債権者が変更になると、この事実を知らせるための文書が債務者のところへ送られてきます。

当然のことながら、元住宅ローンであって、新債権者とは返済に関する取り決めが一切ない以上は、「全額返済を行ってください。」といった趣旨の連絡となります。

返済額の内訳としては、代位弁済になった時点での借金残高は当然のこと、代位弁済以降の借金全額に対する日々14.6%の遅延損害金が加算されることになります。

これは、あまり語られることがないのですが、この日々14.6%の利息は、競売になってから落札されるまでの間ずっと発生し続けます。

仮に1600万円の残債があるとします。この場合競売の処理が半年かかったとすると遅延損害金は1000万円以上にもなります。

このページをご覧の人は、絶対に住宅ローンを滞納してはいけません。第一回でも解説していますが、返済が厳しくなったら、ぜひ、銀行へ相談してください。私自身が2度返済額を見直していただきました。

さて、入札までの流れについて解説すると大きく分けて4つに集約できます。

①裁判所からの通達
②現況調査
③配当要求終期の広告
④入札の通達

①裁判所からの通達

「裁判所から競売開始決定の通知」が特別送達でいきなり届きます。

この段階で多くの方が焦って相談に来るケースが多いのです。

ここでは、何が起きているかと言いますと債権回収会社(サービサー)が担保物件を換金して債権回収するための法的手段を取ります。これが競売と呼ばれるものです。

サービサーが裁判所へ競売の申立てを行うと、裁判所は担保物件に対して「差し押さえ」登記を行い裁判所から競売開始決定の通知が届くことになります。

実は、この段階が任意売却を実施するチャンスでもありますので、何もせずにこのまま放置すると、競売となりますので、1円でも高く売りたいのであれば、この段階で任意売却に長けた不動産会社へ相談するようにしてください。

お勧めは、無料の不動産一括査定サイトを活用すれば任意売却に長けた不動産会社が見つかりますのでぜひ活用をお勧めします。

②現況調査、③配当要求終期の広告、④入札の通知

②現況調査

裁判所からの通達(競売開始決定通知)から1ヶ月以内に物件調査のため裁判所の執行官と不動産鑑定士が来ます。

これは、物件の現況を調査するため写真を撮影したり誰が住んでいるのか?などの現況を把握して調査書を作るためです。

この時、居留守を使ったり、ドアを開けない。などの妨害行為を行っても無理やり鍵を開けて入ってこられて調査されることになります。裁判所からの通達が届いている以上、抵抗しても無駄です。

残念ながら競売への流れを止めることはできません。

もし、競売をやめさせるとすれば、サービサーへ遅延損害金を含んだ債権額全額の返済をするか?任意売却を行うか?2つに1つの選択しかありません。

ここまで来たら素直に執行官と調査担当の不動産鑑定士の指示に従いましょう。家を見せても何も怖いことはありません。不動産会社へ査定の依頼を出すのとほとんど変わりません。

調査が終了すると、不動産鑑定士から競売にかける際の「最低価格」「基準価格」この2つが提示されることになります。

最低価格は、入札の際に「最低でもこの価格以上で入札してください。」という開始価格と「基準価格」は裁判所が希望する売却価格です。

なお、最低価格は時価の50~60%程度で基準価格が時価の70%程度です。

③配当要求終期の公告

最低価格と基準価格が決まると裁判所から「配当要求終期の公告」が行われます。

これは、どういうものかと言いますと「この不動産競売にかかることになるので、競売申立てを行った債権者以外で競売後の配当を受け取りたい人は、いつまでに申し出てください。」という告知です。

これによって、競売にかけられる不動産の物件情報が公開されることになります。この情報は、競売にかけられる不動産の地番がリストになっていて裁判所に行くと誰でも見ることができるようになります。

④入札の通知

公告が終わると裁判所から入札の通知が入札の1~2ヶ月前に送られてきます。この時、最低入札価格と入札期間この2つが明記されています。

また、入札の2週間くらい前になるとインターネット上でも物件の写真を見ることが可能になります。

業者からのアプローチには要注意

③配当要求終期の公告がなされた時点で裁判所へ行けば自由に競売物件情報を見ることができるようになります。

不動産業者の中には、自ら所有者を探して「任意売却しませんか?」とアプローチしてくる業者もあります。

この時、所有者の名前が出ているわけではありませんが、不動産が所在する管轄法務局のインターネット情報を見れば簡単に所有者の特定が可能になります。

③配当要求終期の公告が行われた段階で自宅が競売にかけられていることが一般に知られるようになり、不動産業者が調査と称して不動産見学を行ったり「任意売却しませんか?」とアプローチするダイレクトメールが届くようになります。

悪質な業者になると所有者のプライバシーなどの配慮もなく近隣へ聞き込みを行う業者も存在します。

理想は、無料の不動産一括査定サイトを活用すれば、任意売却に長けて良心的な業者が多数登録されています。

現役時代に私がお世話になった不動産会社も登録されていますのでぜひ活用をお勧めしたいです。

任意売却が可能な期間とは?

任意売却が実行できる期間は、①裁判所からの通達が届いてから落札されるまでの期間となります。

私の経験上、①の競売開始決定から落札されるまで、おおむね半年程度の期間がかかります。また、任意売却ができる最終日としては、開札日の前日までは可能です。

この開札日の前日までに、債権回収会社(サービサー)が応じる借金を返済して競売の取り下げを行ってもらう必要があります。

私の経験上、売却価格さえ間違えなければ、開札日の前日まで売れない物件は「まず無い。」と断言できます。

任意売却で業者が本領を発揮する場面は、サービサーが納得して抵当権を外してくれるか?つまり「価格」が非常に重要になってきます。

不動産の売却は、時間をかければ高く売れるわけではありませんが、開札日前日までという期限がある以上、1日でも早く任意売却に着手すべきだと考えます。

任意売却はあくまでも最終手段です。

家を購入する大半の方が住宅ローンを利用すると思います。購入しようとしている家にどの程度の自己資金を投入するかは非常に重要です。

私は、現役時代マンション開発業者にいましたので、物件価格には、2割程度の粗利額を見込んだ値付けを行います。

特に新築物件は、この2割がプレミア分として見込まれるため、市場から見て2割程度は割高物件という認識で販売していました。

中には、自己資金が1円も無く諸費用分を含めたローンを組む人がいますが、このプレミア分の2割は割高分ですから、自己資金が無い人は買った瞬間から債務超過に陥ります。

理由は、中古になればプレミア分が無くなり、新築時よりも2割程度安くしないと売却できない物件が相当数あるからです。

もちろん、約定日にしっかりとローン返済を行えば良いのでしょうが、買った瞬間から債務超過が発生しているわけですから、何かの理由でローン返済が出来なくなると、即競売という非常に大きなリスクがあります。

前述の通り、銀行へ返済が厳しくなれば返済額等の相談はできます。しかし、前述の通り、借主が返済不可能になっても保証会社から代位弁済を受けられるため、住宅ローン債権額の交渉を行っても応じてもらえません。

「毎月の返済額を減らして返済年数を延ばす。あるいは当面は利息だけの支払いとして、元金の支払いを繰り延べる。」程度です。

一方、保証会社や債権回収会社側としては、返済が不可能になった不良債権だとわかった上で競売を前提に債権を引き継ぎます。

彼らは、競売であろうがその他の手法であろうが、1円でも多く債権を回収できればそれで問題ありませんので、任意売却という交渉の余地が出るわけです。

次からは、実際の任意売却の流れについて解説したいと思います。

特別企画:高く家を売るための任意売却【目次】
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