住宅ローンを滞納するとどうなるの?

このページをご覧の方は、住宅ローンの残債がある方がほとんどだと思いますので、住宅ローンを延滞あるいは滞納すると、どうなるか?について解説したいと思います。

よく「マンション等のローン支払いが延滞すると競売にかかりますか?」という質問をよくいただきますが、すぐに競売になるわけではありません。

どうしても今月の収入が足りないため「返済用の口座残高に入金できなかった。あるいは完全に入金を忘れていた。」誰もが1度は経験があると思います。かく言う業界歴20年の私も何度かあります。

おそらく、何が起こるか?ドキドキしながら銀行側の対応を待っている人も多いと思います。私の経験上、1週間以内程度で銀行から「お知らせ」という葉書が1枚届きます。

この時に、「当月の引き落としができませんでしたので、次月は2回分の住宅ローンの引き落としを行います。」という案内が記載されています。

あまりにも簡素な案内ですので、「取り立ての電話とかないの?」と思われる方もいらっしゃると思いますが、ありません。恐らくこの段階では、住宅ローン滞納者の90%以上の人が拍子抜けすると思います。

本当に怖いのがこれからです。

「じゃーこのまま住宅ローンの支払いを無視し続ければいいの?」と思われる方も少なからず存在すると思いますが、住宅ローンとして維持できるギリギリの期間があるのをご存知でしょうか?

ほとんどの方がご存知ないと思いますので、説明させていただくと、住宅ローンとして維持できる滞納期間は6ヶ月までとなり、これ以降になると次のステージに移行します。

通常、住宅ローンを数ヶ月以上滞納すると銀行などの金融機関は、「この人は返済が不可能。」と判断します。

そして、金融機関にもよりますが期日(6ヶ月程度が多い)を決めて「期日までに滞納分を含めた住宅ローンを支払わないと期限の利益を喪失することになる。」という通知が来ます。

「期限の利益」と言ってもピンと来ない方が多いと思いますが、住宅ローンは「期限の利益」があるからこそ成り立っている金融商品です。

家を購入する時は、自己資金だけでは購入が難しいため、中には全額ローンを組んで毎月一定額を30年、35年かけて返済していくことになります。

しかし、「期限の利益」を喪失するということは、「分割での返済を認めませんよ。一度に全額返済してください。」と貸し手の金融機関から返済を迫られることになります。

この時、借り手側が拒否したとしても、住宅ローンを融資する前に金銭消費貸借契約を締結しているため、借り手が滞納などによって契約内容を遵守できなければ、貸し手側が「期限の利益」を約束した返済方法を認めず、残債の一括返済を要求することができます。

返済がきつい時は、必ず銀行側に相談することが重要です。

重要なことは、住宅ローンの返済が厳しくなったら、「期限の利益」が喪失する前の段階で、毎月の返済額が厳しければ、銀行へ連絡して毎月の返済額を下げることで「いくらなら返済可能です。」と担当者へ話せば相談に応じてもらえます。

返済の意思があるのに、「当初の約定返済額の変更に応じない」金融機関はまずないはずです。

住宅ローンとして維持したいのであれば、「期限の利益が喪失」してからでは、完全に遅いのです。

返済がきついのであれば、「素直にきついので、返済額を減らしてください。」と素直に相談することが非常に重要です。

「どうせ返せないから」と放っておくと、「期限の利益を喪失」するだけでなく、この後解説する競売へと繋がり家を手放すことになります。

私事で恐縮ですが、自身でも2度に渡る自宅の売買経験がありまして、3回ほど住宅ローンの返済が厳しくなって借入れ先へ相談したことがあります。いづれも、「返済額を軽減」いただいたことで、何とか凌げることになりました。

私は、住宅ローンの諸費用を節約するため、ネットバンクのみの取引しかありませんが「親切丁寧に対応いただいた。」のを鮮明に覚えています。

従って、返済に困った際は、「面倒がらず必ず相談される」ことをお勧めします。(あるいはいっそのこと借り換えをお勧めします。こちらの住宅ローン一括申し込みサイトを活用すれば最大650万円の節約に成功した事例もあります。ぜひ、借り換えをお勧めします。)

期限の利益喪失後に起こりうること

さて、ここから先は残念ながら期限の利益喪失後のお話となります。

皆さんは、ご自宅の不動産登記簿をご覧になったことはありますか?

「住宅ローン控除」の申請に自宅の登記簿謄本が必要になりますので、「1度くらいは見たことがある。」のではないでしょうか。

基本的には、私のような元不動産業者くらいしか、謄本を隅々まで見る方は少ないと思いますが、住宅ローンを利用していると乙区欄に抵当権者の記述があります。

この乙区欄をよく見ると抵当権者の欄には、借入れ先の金融機関ではなく「〇〇信用保証」という保証会社の名前が明記されています。

ご存知の方も多いと思いますが保証会社とは、住宅ローンの利用者が返済できなくなった際に「代わりに支払いますよ。」と約束している会社のことを指します。

(なお、ローンを利用する時の諸費用として保証料が発生する場合は、まさに連帯保証人になってもらうための費用です。)

この時、住宅ローン契約者が返済できないと銀行側が判断すれば、連帯保証人である保証会社へ返済の請求が行くことになります。

保証会社がローン契約者の代わりに債権者である銀行へ全額返済することを「代位弁済」と呼びます。

これによって、元住宅ローン利用者の債権者が銀行から保証会社に変わります。

実務上は、保証会社は、引き継いだ元住宅ローン債権を取り立てるため、債権回収会社(サービサーと呼びます。)に業務を委託することになります。

なお、このサービサーは、焦げ付いた元住宅ローンの取り立てだけでなく、キャッシングやカードローンや事業融資等のあらゆる取り立てを行います。

さて、ここから競売や任意売却のステージに入っていくことになるわけですが、よくご質問でいただくのは、「住宅ローンとして返済を行っている段階で任意売却を利用できますか?」といったご質問をいただきますが、この段階では任意売却したいと銀行側へ打診しても、まず断られる可能性大です。

理由は、銀行側にとってみれば、万が一、住宅ローンが焦げ付いたとしても保証会社側から「代位弁済」を受けることができるからです。

それでは、次のページから競売の流れと任意売却に持ち込むのであれば、どの段階から入るのがベストなのか?について解説したいと思います。

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