空き家になった親の家を上手に売る方法とは?

中央線のT駅から徒歩15分の戸建物件の売却を仲介した時の話です。

Aさん宅は、父親が亡くなり、母親が有料老人ホームに入居したことで、空き家となってしまい無人になった実家を売ることになりました。

「売り出し価格は、4,200万円でいきましょう。」とAさんに提案しました。

当時、私が勤務していた会社は、中央線沿線物件の売買が得意だったため、この金額で売り出すことを提案しました。

近隣相場と比べると正直強気の価格です。「3ヶ月以内で売り切る」ことを考えると3,800万円程度が妥当なのですが、現在空き家であることと、防蟻工事、耐震補強、水回りのリフォームなどで400万円投じており、4,200万円という値付けでも勝算があると思いました。

しかし、4,200万円という価格がネックなのか?売り出してから、1ヶ月で5名の見込み客が現れたものの、購入希望価格が3,500~3,800万円と売却希望価格との差が歴然としていました。

そこで、私は一計を案じました。5名の見込み客の中で、最も高値で購入を希望している人が3,800万円ということもあり、何故この人がこの家を買いたいのか?を調査しました。

すると、「子供の学区の関係でどうしても、この地域で購入せざるを得ない。このエリアは新築物件だと5,000万円が相場なので、予算的に手が出ない。比較的購入しやすい中古物件を探している。」とのことでした。

つまり、この地域でしか購入せざるを得ない人をターゲットに直接チラシを配布するポスティングが非常に有効だという結論に至りました。

Aさんの物件は、築年数25年ながら外装、内装ともリフォームされており、「新築物件と比較すると明らかに割安である。」ことと「水回りのリフォームなどもしっかりとされているので、子育て世代からの支持が得やすい。」と考え「地域限定の子育て世代」をメインターゲットとしました。

不動産広告は、景品表示法などの規制を受ける関係上、誇大広告を打つわけにはいけません。例えば、使用する用語の制限や物件概要に必ず記載しなければならない表示事項があります。このような取り決めがある中でAさんの物件情報を最も目立つようにしました。

どのような文言がターゲットに刺さるかと言うと、子供の学区関係でエリアを限定しており新築だと手が届かない人向けに、内外装含めてリフォームを全面的に行ったことと。

既に空き家のため即入居できる。また、日本家屋ということもあり、1部屋あたりの面積が大きく子育て世代にはぴったりの住宅である。と訴求しました。

チラシを数百枚刷り、賃貸住宅にポスティングしたところ、数日後このエリアで購入を検討している子育て世代からの反響がありました。

結局、4,200万円には届きませんでしたが、4,100万円での売却が成立しました。

このように高く家を売りたいのであれば業者選択が非常に重要です。誰でも売れる価格で査定額を提示してくる不動産会社がいますが、「誰でも売れる価格」ではそもそも不動産会社は必要ないはずです。自分で買主を探せばいいわけです。

一番ベストな方法は、不動産一括査定サイトなどを利用して、複数業者を比較して自分にぴったりの不動産会社を探すことが重要です。

【参 考】
境界が決まっていない親の家を売る際の注意点とは
親の家を売るのも「土地・古家付き」よりも「中古住宅」のほうが売りやすくなります。
親の家を売る際のQ&A

売主とのコミュニケーションは重要です。

なお、余談ですがAさんの本当の売主は母親です。母親は現在、有料老人ホームに入居しています。私も権利証の確認や境界の確認などで何度か老人ホームへお邪魔しています。

この方は、ご主人が亡くなった後しばらくして、現在の自宅を売却して有料老人ホームに住むという選択をされました。

後からAさんから聞いたのですが、「母は父の看病や介護を7年間行ったことで、自分の介護で子供達を苦しめたくない。」と考え老人ホームへの入居を選択したそうです。

この老人ホームは素人の私が見ても非常に立派な造りですし、介護職員や看護職員も24時間常駐です。何より月額20万円以上はするので、一般の人はそう簡単には入居できません。

Aさん曰く決して裕福ではないですが、「母の残りの人生は何不自由ない生活を送らせてあげたい。」との思いからこの有料老人ホームを選択したとのことです。

私は、査定にお伺いした時、必ず「家を売る理由」を聞きます。これは、100人家を売る人がいれば、理由も100通り存在します。

「とにかく安くても構わないのですぐに売却代金が欲しい」人もいれば、「Aさんのように売却代金は母の余生のために利用して欲しい。」など様々です。

私は査定に伺った段階から、Aさんが家を売る理由を聞いていましたので、なるべく高値で売るための施策を行いました。

このように不動産会社と一言で言っても、親身になって相談に乗ってくれる業者もいれば、そうじゃない業者も存在します。不動産の一括査定サイトを利用すれば、親身になって相談に乗ってくれる業者が見つかります。

あるいは、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。

サブコンテンツ

このページの先頭へ