土地の境界があいまいな親の家を売る際の注意点とは

私が入社して10年目に担当させていただいたCさんの事例を紹介したいと思います。

Cさんは、早くからお父さんを亡くされ、お母さんが女手一つでCさんを育て上げました。

しかし、そのお母さんも昨年、亡くなったとのことで、誰も住まなくなった親の家を売りたいということで相談をいただきました。

しかし、Cさんの実家は、隣地との境界が確定しておらず、このままでは売却に支障が出ます。

土地の境界は、非常にデリケートな問題でもあり、普段、隣近所ということで、あいさつや親しそうに話をしていても、境界線の確定となると非常に大変です。

私の経験上、個別でやっていたら、まとまるものも、まとまりません。境界の立会いは権利者全員が一同に集まって、その場で決めるのが一番の方法です。

従って、隣接している3件に声をかけていただいたのですが、1件だけなかなか応じてもらえず、随分前に一度ブロック塀の設置をめぐって少し揉めたとのことでした。それを、今でも根にもっていたのかもしれません。

境界が確定しませんと、売るに売れないため、とにかく下手に出る。ことと場合によっては菓子折りを持参することで、どうにか参加していただくことができました。

この時、事前にCさんと取り決めていたのですが、Cさんの実家は最寄駅から徒歩30分。築年数も45年の古家ということもあって、仮に売れたとしても大した金額にはならない。というのは事前にお話しをしていました。

Cさんの母親が亡くなった際に、実家に移り住むことも検討されたみたいですが、通勤に2時間以上もかかってしまうことから断念されました。

このまま親の家を売却せずに所有していても毎年固定資産税が発生するわけですから、とにかく少額でも良いので売り切ることを決断いただきました。

さて、実際に境界確認の立会い日が決まるまで、最初に依頼してから2ヶ月以上もかかってしまいましたが、無事に迎えることができました。

当日は、土地家屋調査士にも来ていただき立ち合いを開始しました。しかし、ブロック塀の設置で揉めた隣人とだけは、非常に折り合いがつかず、20年以上も前に設置したブロック塀に関して、色々難癖を付けてくる始末です。

Cさんとは、立会にあたって、この隣人が難癖を付けてくるのがわかっていましたので、多少土地の面積が狭くなっても、売却価格はほとんど変わらないので、「とにかく境界を確定させる。」ことに注力しましょう。と事前に取り決めをしていました。

私が気の毒だなと思えるような、主義主張をしてくる隣人に対して、ひたすらCさんに折れていただくことで、なんとか全ての境界が確定しました。

しかし、この時、私が実感したのは土地に対する執念と言いますか。境界確定することで、少しでも自分の土地が減ってしまう。ことに対して本性むき出しのドロドロした部分を感じざるを得ませんでした。

私は何度か境界の立会いをしていますが、永年境界が確定していない土地ほど、土地に対する愛着やこだわりが強い隣人が多かったため、一筋縄ではいかなかったことを記憶しています。

従って、境界の確定していない土地を売ることは、売主だけでは対応できないケースも多いので訳あり物件の売却に長けた不動産会社に依頼することが非常に重要です。会社のネームバリューは、ほとんどアテにならないと考えて間違いありません。

【参 考】
親の家を売るのも「土地・古家付き」よりも「中古住宅」のほうが売りやすくなります。
親の家を売るのもチラシの撒き方一つで売れ行きが全く異なります。
親の家を売る際のQ&A

境界が画定していないと、なぜ家が売れないのでしょうか。

では、ここで「なぜ、境界が確定していないと売るに売れない。」のかと言いますと境界が確定していないということは、登記簿謄本上に記載されている土地を現地で確定することができないからです。

特に土地を売る場合、必ず境界の話になります。境界を確かめる方法としては、境界標を確認します。境界標とは、コンクリートや鋲(びょう)で作られたものや木製のものもあります。

境界標が無いからと言って、境界が確定しているわけではなく、リフォーム工事などで誤って取り除いてしまったケースもあります。

その場合、隣接する全ての土地所有者が立ち会い、それぞれの所有者が捺印した確認種類があれば問題ありません。また、その際、地積測量図も作成されているはずですので、何の問題もありません。

しかし、Cさんのケースは、境界標が無く、売却時になってはじめて境界が無いことがわかりました。

よく固定資産税を払っているのだから土地の面積=境界はすでに決まっているのではないでしょうか?などの質問をいただくことがあります。全国の自治体には、固定資産台帳があり、そこに登録されていれば固定資産税を支払う義務があります。

Cさんの場合も固定資産台帳に登録されており固定資産税を支払っていました。当然登記もされています。しかし、隣地との境界が確定していなかったため、売るに売れない状況でした。

登記されていても、自分の権利範囲が及ぶ境界を確定させることは、売主としての義務です。

境界が無い場合は、隣地所有者の立会いを経て筆界確認書や立ち会ったことを証明する書類を持って境界が確定したことになります。

前述の通り、境界の確定は非常にやっかいな場合も多いため、もし境界が決まっていない土地を売る際は、ベテランの担当者が在籍している不動産会社に依頼するのがベストです。

境界が確定していない物件は、数年に1度あるかどうかです。担当者自身が不慣れというケースもありますので、訳あり物件の売却に長けた不動産会社であれば、ベテランが多く集まっているはずですので問題ないでしょう。

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