水道管が引かれていない!?それ聞いてませんけど・・・

Aさんは、戸建てを新築するために土地を探していました。

探しはじめて半年も経過した頃、ちょうどAさんの条件や予算にぴったりの更地が見つかり売買契約を締結しました。

しかし、新築工事を請け負った工務店から「この土地には水道管が引かれていませんので、前面道路の埋設管から敷地まで通すのに工事が必要です。

さらに敷地までの道路(私道)までは、Aさんを含む6世帯の共有名義となっていますから、各世帯の承諾をもらわないといけません。

1世帯でも反対されたら水道管を引くことができなくなります。ちなみに工事費は近隣住民への折衝込みで150万円程度は必要となります。どういたしましょうか?」

そんなの聞いてないし・・・寝耳に水だよ

というAさんにとっては、まさに寝耳に水といった話を聞かされました。そこでAさんは、慌ててこの土地を仲介した不動産会社へクレームの連絡を入れました。

Aさん:「水道管が通ってないなんていう説明は聞いてないですよ!」

B不動産会社:「契約の際にお渡しした重要事項説明にその旨記載していますよ。」という返事でした。

確かに重要事項説明書の備考欄には、本物件には給水管が配管されてない関係上、給水管を引き込む際は、約40メートル先の本管から分岐させ敷地内に引き込む工事が必要です。その際の工事費等は買主が負担するものとします。

さらに、敷地前の道路(私道)の掘削工事を行う際は、私道所有者全員の承諾が必要となります。と記載されていました。

この文言のおかげで、Aさんは水道管の引き込み工事代とクセのある住民にゴネられ1件あたり10万円のハンコ代を負担させられました。

不動産会社はあなたの味方ではありません。

このAさんは、複数の不動産会社へ仲介を依頼しており、物件情報を持っていたB不動産会社を経由してこの土地を契約しました。

当時、私もAさんへ何件か物件を紹介していましたが、「B不動産会社を介して土地を購入したと聞いた時、この会社は業界内でも、あまりいい噂を聞かないものですから正直大丈夫かな?」と心配していたのも事実です。

このやり方は、まさにB不動産のやり方そのものです。

詐欺に近く・・・消費者を無視する行為も甚だしい

重要事項説明書にマズイことを全て記載して、契約当日までに一切情報を出さない手法で契約書に署名捺印を行う1時間程前にマズイ情報を全部一気に話をして「はい、伝えましたからね!」という手法です。

同じ同業者の私から見ても非常に姑息なやり方ですし、賛同できません。私の場合は契約前の1週間前までには、重要事項説明書を配布して「何か質問があれば何でも聞いてください。」というスタンスでした。

それでは、このAさんは売主や不動産会社へ損害賠償の請求ができるか?というと「残念ながらNoです。」

やり方としては、非常に姑息で卑怯なやり方ですが、重要事項説明書に記名捺印している以上は、B不動産会社としては、説明責任を果たしたことになります。ある意味、しっかりと読まなかったAさんにも責任があります。

しかし、Aさんは重要事項説明書をしっかりと読んでいれば問題無かったのか?と言うとそれも違うと思います。

そもそも、水道管が敷地内に引き込まれていないという事実は、初回に物件を案内した段階で伝えるか?遅くとも土地購入を決断した段階で告知すべき内容だと私は思います。

Aさんにとっては、痛い出費であり、まさに想定外・・・

このケースでは、重要事項説明内容を理解していなかったため、「水道管の引込費用」や地権者の同意を得るための「ハンコ代」が発生しました。

最終的に水道管が引き込めたから良かったものの、1世帯でも反対していれば失敗していた可能性があります。

Aさんのようにならないためにも、不動産会社の選定は非常に重要です。それでは、いい不動産会社を見分けるにはどうしたらいいのでしょうか?

一つは、営業年数が判断基準となります。不動産会社の営業所などに行きますと業者標といって、不動産会社の社名、代表者の氏名、宅地建物取引主任者の氏名、免許番号が記載されています。

この免許番号の( )数字は、免許の更新回数を示します。この更新回数が多ければ多い程、営業年数が長ことを意味します。ちなみに、大手不動産会社の免許番号は以下の通りです。

  • 住友不動産販売…国土交通大臣免許(11)第2077号
  • 東急リバブル…国土交通大臣(10)第2611号
  • 野村不動産アーバンネット… 国土交通大臣免許(3)第6101号
  • 大成有楽不動産販売…国土交通大臣免許(8)第3394号

免許番号の更新回数が多いから信頼できる不動産会社というわけではありますが、一つの判断材料にはなります。また、大手だからと言って「任せて安心」というわけでは、決してありません。

社名は出しませんが、思わず首をかしげたくなるような取引行為を平気で行う業者も存在しますので注意が必要です。

行政からの処分歴も参考になる

また、営業担当者の名刺にも免許番号が記載されている会社も多いので、そこから判断する方法も有効です。さらに、東京都内の業者であれば都庁の「宅建業者の情報提供システム」で検索すれば、過去の行政からの処分歴がわかります。

一番重要なのは、大手中小に関係なく、売主、買主の立場になって、誠実な対応を行ってくれる業者が一番です。特に誠実な業者に依頼したい人で高く家を売りたい人には、不動産の一括査定サイトなどを、うまく活用して自分にぴったりの不動産会社を探してください。

1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。現役時代の仲間も多数在籍していますので、間違いありません。

信頼できる不動産会社はここまでしてくれます。

それでは、信頼できる不動産会社とは、一体どんな仕事をしてくれるのでしょうか?

これについては、明確な定義があるわけではありませんが、ある土地が売りに出されて、物件を気に入った買主が申込みしたとします。

プロの仕事はここまで徹底

ここから、信頼される仲介会社の本当の仕事が始まります。

契約成立の可能性が高い物件は法務局で「土地の登記簿謄本」「公図」「地積測量図」「建物図面」「各界平面図」等、取得できるものは全て取得します。

例えば、「沼」という地名がつく物件は、「地盤が弱い」可能性が高いため昔の土地情報を得るために「閉鎖謄本」まで取得する必要がありますが、頼まないと取得してくれませんので注意が必要です。

また、土地の地図のことを公図と言いますが、例えば見た目はごくごく平凡な東西に長い土地であったとしても、4つに区分け(4筆)されていた土地だった。などということは日常茶飯事です。

土地情報を徹底的に調査

地積測量図があると、土地の境界や面積を正確に把握することができますがあまりにも古いデータは、面積の誤差があるため、土地家屋調査士へ依頼して新たに計測した方が安心です。

法務局が終わると市役所関連の調査を行います。ここでは主に都市計画と道路、建築制限について調査をします。

都市計画については、その物件がどの用途地域に該当するか?を調査するとともに、道路を隔てた用途地域も調査します。これは、該当物件は、住居系の用途地域のため環境は良いが、道路を隔ててすぐの地域は商業地域だったため、将来パチンコ屋ができる可能性もあります。

また、道路については、「二項道路」や「43条但し書き」等の情報も取得します。よくあるのは、自宅前の道路は、公道だと思っていたのが、実は私道だったというケースは非常に多いです。

建築制限とは、この場所には、何階建ての物件まで建築可能なのか?という基本的なことから、その土地でやってはいけないことまでとにかく調べます。

例えば、買主が、3階建の物件を建てたにも関わらず、実際は不可能だった場合、後で必ずトラブルになります。

インフラ関連も徹底調査

後は、インフラ関連の調査になります。

必ず調査する内容としては、水道とガスです。

特に水道の場合は、前述のAさんのように必ず敷地まで引き込まれているか?を必ず確認して、もし引き込まれていない場合は必ず入念に説明する必要があります。

また、水道管が引き込まれていても十分な水量が確保できない場合も必ず伝えます。

現在は20ミリ以上が主流ですが、3階建ての場合ですと20ミリでは十分な水量が確保できません。さらに敷地前面の道路が私道の場合は、少し厄介です。

共有の私設管から水量を引っ張りたいと思っても、私設管ですとその分水量が減るので、共有者が賛成してくれないケースもあります。その場合は、本管から引き込むことになりますが、距離が長くなる分、工事費等の負担が増えます。

従って、冒頭に紹介したAさんを例に取って解説しますと、契約を締結するかなり早い段階から、水道管に関する事実を知らせておくべきだったと思います。

ライフラインに関する重要な内容であるにも関わらず、「重要事項説明書に書いてあるから説明責任を果たした。」などと平気で言ってくるような業者は排除されるべきだと思います。

あるいは、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。

現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。

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