タダでも家が売れない日が来る?

売れない土地を何とか処分する方法。でも少し触れさせていただきましたが、私が10年前に不動産仲介を行っていた際は、「売れない不動産は無い。」と断言できる程、「どんな不動産でも必ず良いところがあって、売れないのが営業マンの工夫が足りない。」当時の後輩や部下に話していたのを今でも思い出します。

確かに、「どんな物件でも販売価格の値下げと時間さえかければ、程なく売却できました。」

その後、売却価格が相場を下回ることがあったとしても、売りに出した家(戸建やマンション問わず)の、ほぼ100%は売却できました。

結局、売れる売れないの境目は、需要と供給の関係ですので、最終的には価格さえ調整すれば売買契約は成立していました。

しかし、積極的に内覧者を案内しているにも関わらず購入希望者が現れない中古住宅も珍しくはありません。

今回は、具体的な物件情報を事例にとって紹介したいと思います。場所は、私が以前住んでいた大阪府箕面市の分譲マンションとなります。

具体的な物件名が特定されるとお住まいの方にご迷惑をおかけする可能性が高いので、間取り図のみとなりますが、仮にAマンションとしましょう。

このAマンションの立地はバス便ながら周囲は非常に閑静な住宅地として知られバブル末期の1990年に分譲されマンションでして、設備仕様は当時のバブル仕様です。

当時は1億5千万で分譲された高級マンションです。そのAマンションの上記間取りの97.12㎡の売り出し価格が3,080万円と分譲時から5分の1となり驚くほど安くなりました。

築年数25年ながらも高級マンションとして分譲されただけあってR型のファサードなどは、現在では高コストになるため採用できないような高級マンションとしてのステイタスは今でも健在です。

このAマンションですが、他にも80㎡台で2,000万円台、70㎡台に至っては1,000万円台と驚くほど安くなっています。

どれくらい安いかですが、suumoやathomeで情報公開されている情報と不動産業者サイトとを突き合わせて調査したした結果、一番安い住戸で1,280万円(73.52㎡)。同一エリア、同一の広さで一番安い築40年超の団地でも780万円の価格設定で販売されているのと比較しても、その安さがよくわかります。

「築25年のバブル仕様」かたや「築40年超の団地」。なぜ、販売価格をここまで安くして売却しているのでしょうか?

  • 横浜で騒がれているような構造的な欠陥(偽装)を抱えているから?
  • 過去に自殺などの事故が頻発したから?
  • 売主が売り急いでいるから?

どれも違います。

なお、仲介業者からの案内や内見が入ると3組中1組は、気に入ってくれ売買契約を締結するにあたっての具体的な話を聞きたい。といった引きも多いのですが、1件も成約に至りません。

ちなみに、この97.12㎡の物件は売出しから1年以上経過していますが、いまだに売れません。

一体、なぜだと思いますか?

実は、案内が入っても売れない理由は、毎月のランニングコストが高額過ぎるためです。

ちなみに、97.12㎡・3,080万円の物件ですと管理費+修繕積立金、駐車場代などを合計すると月額13万円以上になります。持家と言えども「家賃並みの支出」に加え「住宅ローン」が別に加わります。

例えば、このコンテンツを執筆している2016年3月では史上空前の低金利と言われていまして変動金利の中でも一番金利の安い住信SBIネット銀行で0.579%となっています。

仮に頭金を1割入れて2,780万円(35年返済)の借入したとします。ボーナス払い無しですと毎月返済分として73,139円となりますので、近隣の家賃相場(月15万円)の半額となります。

住宅ローンの支払いは、できても管理費や修繕積立金の支払いができません。

これが、不動産会社からの案内や内見が入っても売れない理由です。

とはいえ、Aマンションは、バブル仕様という高級物件。マンションの外観を見せて住戸内を案内すると3組に1組が「住んでみたい。」と人を魅了させる物件です。

この高いランニングコストも周辺の家賃相場よりも安いのは間違いありません。実際、過去にはこんな安い賃料で高級物件に住めるという理由で、購入した人もいます。

この物件は、高級物件という付加価値が付いていますので、賃貸に出しても需要が見込めるからまだ救いようがあります。

売るに売れない!タダでも引き取り手がいないマンションとは?

しかし、もっと深刻なのが郊外で利便性が悪く、築年数が古い小規模マンションです。

建物を維持するための修繕積立金は、立地に関係ありません。築年数が古くなればなるほど、負担が大きくなります。

専有面積が同一の物件でも、総戸数が少ない程、修繕積立金の負担は大きくなります。

私が現役時代に仲介した物件ですと、60㎡前後の2LDK型で管理費、修繕積立金が月額5万円以上した物件もあります。

同一エリアの家賃相場が8万円でしたから、いかに割高かご理解いただけるかと思います。

この物件は、マンションとしての魅力や付加価値が非常に乏しい物件でしたので、私が査定価格を出してから専任媒介契約を締結して広告活動を開始して実際に売買契約に至るまで1年半かかりました。

途中4回も価格改定を行い相場の半値でやっと成約したという非常に大苦戦物件でした。

実は、この物件の売主であるオーナーは別宅に住んでいたため、「1年経過した時点で賃貸需要は見込めるため、一旦売却は取りやめて賃貸に出しましょう。」といった取り決めをしていた矢先に購入希望者が現れたため運よく売却できた。といった事情もあります。

今後の傾向としては、

①交通利便性が悪い。②総戸数少ない。③築年数が古い。

この3つに該当する物件は間違いなく売却しづらくなるのは間違いありませんので、これらの物件に該当する人は早めの売却をお勧めします。

もっと、深刻な例を紹介します。

①交通利便性が悪い。②総戸数少ない。③築年数が古い。この3つに該当する物件は、売却しづらくなると解説しましたが、まだ賃貸需要のある物件は救いようがあります。

非常にやっかいなのが賃貸需要すら見込めない物件です。最も顕著なのが都心まで2時間以上かかるようなバス便ニュータウンです。

なお、郊外の大規模ニュータウンが開発されたのが、バブル期です。

バブル時代は、一般的な会社員にとってマイホームは高嶺の花で土地付き一戸建住宅を手に入れるためには、都心まで2時間以上はかかる郊外の大規模ニュータウンしか選択肢がありませんでした。

バブル当時に購入した世代も環境は良いものの利便性に欠けるため、都心よりのマンションなどに住み替えを検討したものの、現在の自宅が全く売れない。

賃貸へ出すにしても借り手がいません。そりゃそうです。都心まで2時間以上もかけて通勤したいという人なんて、そうはいません。

①交通利便性が悪い。②総戸数少ない。③築年数が古い。この3つを満たしておりかつ、賃貸需要が見込めない物件は今後需要が見込めないわけですから、ますます買い手がつきません。

また、開発当時は近隣の商店街にも活気があったものの、廃業によってバスサービスが無くなったり、人口流出によってスラム化が進むと売るに売れません。

特に築年数が古いマンションで既存不適格物件ですと、建築基準法の改正によって現在と同程度の建て替えすらできない場合ですと、そうそう購入希望者が出る可能性は低いでしょう。

将来的に自分達が住んでいる物件がこれらの条件に該当するかも知れない人は、売れるうちに売り切っておいた方が良いです。

まずは、今の家がいったいいくらで売れるのか?を把握することが重要です。お勧めこちらの完全無料で利用できる不動産の一括査定サイトの活用をお勧めします。

あるいは、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。

現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。

今後、日本では少子高齢化によって、確実に世帯数は減ります。これによって、スラム化した街の物件は、ほぼ売却が不可能になる可能性が高くなります。

今後、住み替えを検討している人は、「値段が手頃」だという理由だけで購入を決断しないことです。安い物件には、安いなりの理由があります。

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