家を売る理由は重要です。

私は現役時代、媒介契約を受ける前に必ず「家を売る理由」を確認していました。理由は、売主が後々トラブルに巻き込まれることが無いようにするためです。

過去に売却理由を隠したがためにトラブルに巻き込まれた例は、非常に多く例えばマンションの場合は、上下階とのトラブルタバコの煙に関するトラブル等、数えるとキリがありません。

家を売る理由は、100人売主がいれば、売却理由は100通りあります。前向きな理由もあれば後ろ向きな理由まで様々です。

  1. 手狭になった。駅から通い。転勤。親と同居することになった。ローンの支払いがきつい。
  2. 白蟻(シロアリ)の被害を受けている。配偶者が室内で自殺した。上階の足音がうるさいためトラブルを抱えている。隣地の人が精神的に病んでおり揉めている。

1に関しては、売却理由を伝えなくとも売却後トラブルになることは、まずないでしょう。

2に関しては、「真の売却理由」を告げずに売却し、後で買い手がこの事実を知れば、トラブルになる可能性が高いです。

理由は、「購入希望者がこの事実を知っていれば、売買契約の締結に重大な影響を与えていた可能性が高いからです。」

仲介業者が介在する個人間の中古住宅売買は、現状有姿が基本ですが、住宅の雨漏りや白蟻よる床下や基礎の被害などの状況を隠して売買すると瑕疵担保責任を追及されます。

木造軸組工法で建てられた中古住宅を売却する方は、建物に関する事実については必ず伝えてください。

なお、告知義務が発生するか?の判断の分かれ目としては、「その事実を買主が知れば売買契約を締結するにあたって、躊躇するか?否か?」で判断すれば良いと思います。

さて、1と2の判断の分かれ目ですが、以前、家の売却希望者であるAさんからこんな相談がありました。

「築年数2年の家を売りたいと考えております。売却理由としては、ご主人が心筋梗塞になり、奥さんの実家に家族全員で引っ越すことになりました。

この場合、ご主人が病気であるという後ろ向きな理由になると思います。

査定価格に影響したり、市場価格よりも安くしないと買い手は見つからないものでしょうか?」こんな相談を受けたことがあります。

皆さんは売却理由がご主人の病気療養の場合、告知義務が発生するのか?

また査定に影響して希望価格での売却が難しくなるのでしょうか?どう思われますか?

この質問に関する答えは、告知義務は発生しませんし、査定や売却時の価格等には全く影響を及ぼしません。

理由は、Aさんの売却理由を聞いたところで、契約行為を躊躇する気持ちや思考にならないからです。

確かに売却理由がご主人の病気によるため、どちらかと言うと後ろ向きな売却理由なのですが、購入希望者にとってみれば、この事実を知ったところで、売買契約の締結を左右する重大な告知義務には該当しないからです。

それでは、もう一つ例を挙げてみましょう。以下は私が実際に経験した現役時代の体験談です。

当時、私は、買主側の仲介業者として、東京都内の中央線沿線の物件をDさんに勧めたところ、非常に気に入っていただき売主Bさんとその仲介業者である大手不動産会社との間で売買契約を締結しました。ローン審査にも無事通過し、決済も完了して引き渡しを終えました。

決済完了後の2~3時間が経過してDさんから連絡ありました。

「早速、新しい我が家を見にきたのですが、お風呂場、キッチンの水が出ないんですけど・・・給湯器をオンの状態にすればお湯は出ます。しかし、オフだと何も出ません。どうしたらよいでしょうか?」との連絡がありました。

早速、事実確認を行うべくDさん宅へお邪魔したところ、確かにDさんの主張通り、水が出ません。

そこで、引き渡し前に前所有者であるBさんが記入した物件告知書を確認したところ告知書には、「給排水の故障さらに漏水などの事実はない。」と記載されています。

私の知り合いにリフォーム業者がいましたので、該当箇所を解体したところ、洗面所は水もお湯も出ており、お風呂、キッチンの配管に原因があるとのことでした。修繕工事を行うためには、数十万円の費用が発生するとのことでした。

おまけにキッチンとお風呂の水が出ない状態であるにも関わらず、真夏も給湯器を付け続けている状況はどうにも不自然です。

売主からの告知書には、「給排水の故障はありません。」と明記されています。さらに、契約の際に瑕疵担保は免責となっています。

さて、ここで皆様に質問です。売主に対して何かしらの責任を追及できるでしょうか?また告知義務違反に該当すると思いますか?

質問に回答させていただくと瑕疵担保責任が免責であっても、告知書に事実を記載していない状況(売主の落ち度)や「水が出ない。」という必要最低限の物件状況の確認を怠っている(仲介業者の落ち度)ことを勘案すると責任を追及することができると私は考えます。

実際、被害者であるDさんにこれらのアドバイスを行ったことで、給排水設備の修繕費用は売主負担とすることができました。

昨今の業界慣習から言っても、売買契約の締結前に重要事項説明を行いますが、その際に宅建業法35条以外でも、「買主が売買契約を締結するにあたって、その判断を行う際の重要な事項も含まれる。」内容も説明する義務があると私は考えます。

この場合、売主側の仲介業者である大手不動産会社ですら、このようなミスを起こしてしまいます。大手だから安心というわけではありません。

おすすめは、無料の不動産一括査定サイトを活用すれば、大手、中堅、地元業者などが多数登録されています。このサイトを活用することで自分にぴったりの不動産会社が見つかります。少なくとも仕事のできない不動産会社は登録されていませんので、ぜひ活用してみてください。

あるいは、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。

マンションのトラブルが非常に多いです。

私の経験上、告知義務が発生するケースとして最も多かったのがマンションの近隣トラブルです。特に上下階に関する音の問題が最も多かったです。

マンションは、集合住宅という性格上、非常に神経質な住民であれば上下階だけでなく、左右の住人ともトラブルを起こしがちです。

また、日中から意味もなく大声を張り上げている人や深夜帰宅する住人に懐中電灯を照らす住人に至るまで・・・現役時代は色々なトラブルを処理してきました。

これらの問題を抱えているマンションを売却する際に、告知義務が発生するかと言うと・・・業者によって考え方や判断が分かれるところではあります。

本来マンションの近隣トラブルは住人同士が不満を直接言い合わずに管理組合や管理会社を通して解決するのが鉄則です。残念ながらこのスキルが無い管理組合や管理会社のマンションは資産価値が大きく損なわれます。

すぐに買い手が見つかる物件は、住人同士が協力し合い、繋がりもかなりあります。子供の行事があった際は、餅や赤飯をおすそわけしたりもしています。このような暮らしやすい物件は、高値で売りやすい物件でもあります。

しかし、残念ながら告知義務が必要な物件は、「管理組合がうまく稼働していない。住民同士の繋がりも希薄。」であるケースがかなり多かったように記憶しています。「マンションは管理を買え!」と言われる所以です。

残念ながら告知義務が必要な物件を売る方は、無料の不動産一括査定サイトを活用されてみてください。私のような告知義務の物件売却が得意な業者も多数登録されています。

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