老後は今のマンションに住み続けるか、それとも売却した方が得策か?

マンションに暮らしながらずっと子育てをしてきて、老後は夫婦二人きりの生活が待っている…そんなときに、退職金で住宅ローンの残金を清算して、今のマンションに住み続けた方がいいのでしょうか?

それとも、退職金は手元に残して、思い切ってマンションを売却した方が得策なのでしょうか?

マンションを売却すべきかどうかは、老後の資金や残債によって違う

潤沢な資金があれば、マンションにずっと住み続ける選択肢もある

夫婦二人(あるいはどちらか一人)になったときに、マンションを売却すべきかどうかは、そのときの夫婦の資産や住宅ローンの残債によっても違います。

夫が定年退職になって退職金を受け取った時点で、住宅ローンの残債がゼロだった場合は、退職金を老後の資金にしてこのままマンションに住み続けるのも良いでしょう。

ただし、管理費や修繕積立金などは必ずかかる経費なので、それを差し引いても無理のない老後を送れることが前提です。

平均寿命まで生きたときに、マンションは築何年になっているか?

住み慣れたマンションには、顔見知りのご近所様がたくさんいるので、ずっと住み続けられればそれに越したことはありません。

そのときに気を付けたいのは、そのマンションが築何年で、このままずっと住み続けたときにどうなるかということです。

たとえば、夫65歳・妻62歳で夫が定年退職となり、その時点でマンションが築25年だったとします。

平均寿命が男性80歳・女性87歳として、夫が平均寿命に達したときは築40年、妻が平均寿命に達したときは築50年になっています。

これはあくまで平均寿命で、それより長生きした場合は、築50年以上のマンションに住まなければなりません。

その前に有料老人ホームなどに入居できる資金があれば別ですが、そうでない場合は、生きている間にマンションの解体や改築の憂き目にあう可能性も出てきます。

老人ホームに入居後、マンションが売却できない可能性も

また、「夫が80歳を過ぎたから、二人で老人ホームに入ろう」と決めても、築40年以上のマンション売却は困難を極めます。

売却価格が破格に安いのは仕方ないとしても、老人ホーム入居後にマンションが売れず、管理費や修繕積立金の支払いだけが残ってしまうことだけは避けたいものです。

老朽化したマンションというのは、今問題となっている“スラム化”も含め、さまざまな危険性を抱えていることは、心に留めておいた方が良いでしょう。

老後はある程度の貯えも必要。マンション売却も視野に

退職金で住宅ローンを完済せず、マンションを売却してお金を手元に残す

では、定年退職後に潤沢な資金がなく、マンションの住宅ローンが残る場合はどうでしょうか?

「あと数年払い続ければ完済できる」という場合は、もう少しがんばって働いて完済するのもひとつの方法です。

しかし、退職金をローン返済に回さなければならないような場合は、マンション売却も視野に入れた方が良いでしょう。

マンションを売却することによって、退職金に手を付けずに済み、老後の資金を確保することができます。

「マンションを売却してしまうと、住む場所がない」という場合は、公営住宅や家賃の安い郊外の賃貸住宅に住むのも、ひとつの方法です。

老後の生活は、意外な出費も考えておく必要がある

「老後の貯蓄は5,000万円必要だ」「いや夫婦二人で1億円だ」などと、さまざまな憶測が飛び交っていますが、こればかりは死んでみないとわかりません。

ほとんどお金が必要なかった人もいれば、医療費に莫大なお金がかかった人もいます。

世間の憶測に振り回される必要はまったくありませんが、それでも「退職金で住宅ローンを完済したら、手元にほとんどお金が残らない」というような状況は、いささか不安です。

マンションを取るか、お金を取るかといった場合、住まいは何らかの形で安く住むことができても、お金は働かなければ得ることはできません。

65歳以降も働く覚悟があれば別ですが、そうでない場合は、よくよく考えた方が賢明です。

老後にマンションの管理費や修繕積立金で苦しむ人もいる

管理費や修繕積立金は、マンションに住み続ける上で大きなネック

マンションに住み続けるにあたって、大きなネックとなるのが、「管理費」と「修繕積立金」です。

老後もマンションに住み続けるとなると、一生涯にわたって管理費や修繕積立金を払い続けなければなりません。

しかし、マンションの管理費や修繕積立金は、築年数が進めば進むほど高くなるのが怖いところです。

新築当初、マンションの管理費を決めるのは、マンションの販売会社やデベロッパーです。

そのため、少しでも販売しやすくするために、管理費や修繕積立金を安く設定している場合が多いのです。

ところが、10年後の大規模修繕のときに「とてもこれでは足りない」ということになり、管理組合が管理費や修繕積立金の値上げに踏み切ります。

今後管理費や修繕積立金の値上げがあるかどうか確認を

お住まいのマンションが、すでに管理費や修繕積立金を十分値上げし終わっていれば問題ありませんが、そうでない場合はこれからもジワジワと値上がりする可能性があるでしょう。

中には、10年ごとに100万円前後の修繕積立一時金を要求されるマンションもあります。

こうした経費をずっと払い続けるだけの余力が家計にあれば、マンションを最後まで住み潰すつもりで、居住し続けるのも方法のひとつです。

しかし実際には、高齢になってからマンションの管理費や修繕積立金が払えなくなり、マンションを売却する人も少なくないのが現実です。

心配な人は、管理組合の総会があったときなどに、マンションの管理・運営が順調に行われているかどうかを確認する必要があるでしょう。

マンションを売却して民間の賃貸に住むなら、老後の一歩手前がベスト

年金生活になると、貸すのを敬遠する大家さんもいる

このように、老後になってマンションに住み続けるには、さまざまな不安要素があります。

いろいろと考えた上で「やはりマンションを売却して、民間の賃貸住宅に住もう」と決めたなら、できれば定年後よりは子どもたちの自立後、できるだけ早い時期に決断するのがベストです。

それはなぜかというと、定年後は民間の賃貸住宅が借りづらくなるからです。年金生活ということで、家賃をしっかり払ってもらえるかどうか、大家さんとしても不安を感じるようです。

さらにもう少し歳をとってから借りようとすると、孤独死の問題で敬遠されるようになります。

公営の賃貸住宅は年齢によって断られることはありませんが、公営住宅はけっして十分に供給されているわけではありません。

条件の良い公営住宅に入りたいと思ったら、早い時期から抽選に申し込んでおいた方が良いでしょう。

広いマンションに住んでいたら、ダウンサイジングする方法もある

夫婦の暮らしに合った、小さめのマンションに買い替える

4LDKなどのファミリータイプのマンションに住んでいる人は、売却して賃貸に住むのではなく、二人で住むのにちょうど良い2LDKくらいのマンションに買い替える方法もあります。

こうしてダウンサイジングすることによって老後の資金が増え、管理費なども安くなり、住宅ローンがン残っていればその返済に回すこともできます。

同じマンション内で買い替えると、今までの人間関係も継続できるので理想的です。

しかし、資金的にそれが難しい場合は、郊外のマンションに移り住むことで老後の資金を増やすことができます。

老後のマンション売却に関するまとめ

マンションの住宅ローンを一生懸命返しながら子育て期を走り抜け、ようやく子どもが自立した頃というのは、ある意味これからの生活を見つめ直す“マンション売却適齢期”ともいえます。

老後のマンション売却は非常に大きな問題なので、けっして焦らず、かといってタイミングを外すことなく、慎重に判断したいものです。

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