マンションは管理を買え!と言われる理由とは?

「マンションは管理を買え!」とはよく言われることですが、とりわけ重要なのが管理組合の機能です。

一度、マンションに欠陥などの瑕疵があると管理組合が主体となって分譲主や施工したゼネコンと交渉に当たる必要があります。

実際の事例を紹介したいと思います。あるゼネコンが1998年に福岡市で施工したマンションがありました。

この物件では2011年に大規模修繕工事を予定しておりまして、その事前調査の際に外壁タイルの欠陥(瑕疵)が見つかりました。

大規模修繕を依頼する業者によると外壁タイル全体の20%に剥落や浮きが見られ、中には5平方メートルほど浮いている箇所が見られました。

9つのチェック項目でマンションの欠陥を見抜く方法でも解説させていただいていますが、タイルが剥がれたり、浮いている。

と言った現象は外壁内に水が浸入している可能が高くコンクリートの強度が低下して倒壊する恐れがあります。

今回、問題となったのはタイルの接着方法でした。

当初の設計図では、安全性は高いのですが、コストが割高な「改良圧着張り工法」となっていましたが、コストが安く接着力が低下しがちなモザイクタイル張り工法で行われていました。

安全性が高いもののコストが割高な改良圧着張り工法

コストが安く接着力が低下しやすいモザイクタイル張り工法

そこで、タイル剥落や浮きの因果関係を地元の建設会社へ「付着強度試験」を依頼したところ下地を塗る厚みが不足していたり、表面処理が不十分で圧着されていなかったことが判明しました。さらに、規定値以下の箇所も多数発見されました。

その結果、一部の張り替えでは足りず、全面張り替えぜるを得ない状況になりました。

タイルの全面張り替えとなりますと、マンションの外観全体に足場を作ったり、タイルが落下する危険性があるため張り替えが完了するまで駐車場が使えず近隣のコインパーキングを利用せざるを得ない状況となりました。

当然、費用はかさみ、大規模修繕用に積立ていた修繕積立金では足りず、1戸あたり100万円の負担増となりました。

これは、管理組合としては、納得できずに施工を行ったゼネコンが費用を捻出すべきだと考え、管理組合との裁判沙汰になっています。

今回の争点は、施工不良による欠陥(瑕疵)なのか?あるいは経年劣化なのか?がポイントとなっています。

欠陥(瑕疵)が認められれば、ゼネコンへの損害賠償が認められますが、経年劣化の場合は管理組合の負担で工事を実施しなければなりません。

今回の問題は設計図通りの施工が行われなかったことによる欠陥(瑕疵)だと思えそうなのですが、2005年に福岡県西方沖地震によって建物の一部が損壊したため分譲主であるマンション開発業者が地震と経年劣化によるとの名目で補修工事を行っていました。

また、当初採用した改良圧着張り工法の記述は誤りで、ユニットタイルのためモザイクタイル張り工法を採用したと主張。この説明に納得のいかない管理組合は、ゼネコン側へ築15年以内で全面タイルを張り替えたマンションはあるか?と問いただしたところ、「ありません。」とのことでした。

結局、住民にとっては、裁判の結果に関係なくマンションの資産価値や安全性を考えればタイルの全面張り替え工事を実施しなければならず、住民が費用を捻出して工事を行いました。

管理組合では最終的に裁判することになりましたが、裁判にあたっては住民間で「賛成派」「反対派」に二分され、揉めに揉めました。

反対派の意見としては、「タイル工事と大規模修繕工事の両方が終わったのだから裁判費用などの余計なコストはかけないでほしい。どうせゼネコンが相手だから費用がかさむだけで、泣き寝入りするのが関の山。」という意見です。

一方、賛成派の意見は、「施工したゼネコンの誠意が感じられない。本当は慰謝料が欲しいが、せめてタイル工事費用だけでも負担してほしい。」という意見です。

結局、賛成派が上回ったことで訴求を行ったわけですが、住民間での亀裂も深まりました。

マンションは工業製品と違い、職人の手作業による施工となるため、横浜の偽装をはじめ、福岡でもこのようなトラブルが起こってしまいました。

特にマンションは集合住宅のため、管理組合としての意思を統一してから交渉することになります。

実際、今回のトラブルによって住民間で派閥も出来上がってしまい、管理組合が機能しなくなってしまったようです。

これでは、管理が行き届いているとは言い難く、資産価値が大きく損なわれることにも繋がりません。利口な住民は、マンションに見切りをつけ住み替えた人もいました。

もし、自分たちが住んでいるマンションは管理組合があまり機能していないな?と考えた人は、現在の自宅の資産価値を一度把握されることをお勧めします。

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アフターサービスを徹底活用すべし

このように一度、欠陥(瑕疵)が見つかると管理組合として動く必要がありますので、言い換えますと「管理組合」次第でマンションの資産価値が大きく変わります。

この中で特に重要なのが、分譲主によるアフターサービスです。

これは、ぜひ徹底的に活用いただきたいです。

アフターサービスとは何かと言いますと引き渡し後2~10年以内に欠陥(瑕疵)や不具合が発生したら、分譲主が無償で補修を行うことを指します。

ぜひ、抑えておいて欲しいのが2年で終了するアフターサービスです。特にマンション購入者は、自分たちの住居(専有部分)の不備は細かくチェックしても共用部分は、おざなりになりがちです。

マンションは管理組合が機能して、はじめて専有部分を含めた資産価値を維持することができます。

「共用部分は、管理会社に任せていれば問題ない」と思われる方も多いと思います。

しかし、基本的に管理会社から何かしらの「補修工事をしましょう。」と進言してくることは無いと考えてください。

理由は、管理会社は分譲主の関連会社であることが非常に多いため、分譲主が不利益を被ることには積極的に関与するとは思えないからです。

マンションに住むということは、入居者全員と運命共同体として活動しなければ、資産を維持することができません。

そういった意味では、運命共同体の象徴でもある管理組合が機能していないマンションは、いくら立地などの利便性が良くても価値が無いと言っても過言ではありません。

それでは、アフターサービスに話を戻します。2年という非常に短い期間で終了する主なアフターサービスは以下となります。

【2年以内】

部位 現象例
タイル、レンガなどの外壁 剥がれ、亀裂、浮き
コンクリート 破損、亀裂
屋根 雨漏り、排水不良
玄関扉、窓 動作不良、破損、変形
エキスパンションジョイント 取り付け不良

※住戸内の住宅設備などを除き共用部分のみとしています。

前述の管理組合の例で言いますと、タイルの剥落や浮きは、2年で終了してしまいます。

あくまでも私見になりますが、当初の安全性が高いもののコストが割高な改良圧着張り工法が、実は、コストが安く接着力が低下しやすいモザイクタイル張り工法で施工されていた。

ことについて、分譲当初に第三者によるチェックで判明していれば回避できたかも知れません。

当然、費用はかかりますが、アフターサービス期間内であれば、無償で補修に応じてもれえますので、トータルコストは安く上がるのと資産価値を維持するためには、ぜひ実施いただきたいと思います。

「大手だから信頼できる。安心だ。」という理屈は通用しません。「自分たちのマンションは、自分たちで資産を維持する。」管理組合が機能していて、はじめて実現することです。

「マンションは管理を買え」という本当の意味をご理解いただけたと思います。

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