知っておきたい「基礎工事」の種類

ハズレ物件を掴まないためマンションの住み替えで失敗しない方法①では、地盤、竣工時期、構造が重要と解説しました。

偽装などのハズレ物件を掴まされないためには、「基礎の基礎」という知識が非常に重要になります。

もう一度、三井不動産レジデンシャルが分譲したパークシティLaLa横浜を例に取って解説したいと思います。

建物を建設する際は、杭打ちという工事を実施します。

今回、杭打ち工事を実施した旭化成建材の現場代理人がデータを改ざんしたことが問題となっています。

さらに、興味深いのが工事を受注した三井住友建設が行ったボーリング調査の位置が予定していた箇所と2~3ずれていた。という衝撃のニュースが2015年10月28日に報道されました。

ボーリング調査とは、杭打ち工事の前に支持層までの深さを調べるため、地表から支持層までの土壌を採取する調査のことを指します。

ボーリング調査の結果を踏まえて杭の長さが決まります。

今回問題となっているのが、西棟部分の南側で杭の長さが不足していました。

三井住友建設は、設計業務も行っておりボーリング調査の結果から杭の長さを決定する立場にありました。

データ偽装を行った旭化成建材が一人悪者になっているようですが、実際は、支持層までは16メートリの長さが必要であったにも関わらず杭の長さが14メートルとなり今回の問題が発覚しています。

もし、正しいボーリング調査が実施されていれば、例え旭化成建材によるデータ偽装があったとしても、支持層まで杭が達していれば、建物が傾かなかった可能性があります。

マンションを購入する上で最も重要なのが、建物全体の耐震性に問題ないか?だと私は思います。

マンションは戸建てと違って、所有者全員で立地している土地の持ち分を共有するスタイルとなりマンション全体の総戸数が多ければ多い程、戸当たりの土地持ち分が少なくなります。

特にタワーマンションのような物件になると限られた立地内で容積も目一杯でしょうから土地の広さに関する資産は非常に限られると考えてください。

さて話を耐震性に戻します。杭打ちを行う際の基礎工法は①既成杭②場所打ち③直接基礎の3種類があります。

 

(引用)週間ダイヤモンド 2015年11月14日号

当然、今回の横浜のマンションのように支持層まで杭が届いておらず建物が傾いたという事態が発生した場合は、資産価値は大きく下がり不動産査定を依頼しても査定価格が大幅に下がるどころか?売れない可能性が高くなりますので、注意が必要です。

パークシティLaLa横浜の偽装問題は決して他人事ではありません。でも解説していますが、何かあった時のためにも大手不動産会社の物件を購入されることをお勧めします。

大手不動産会社を推奨する理由

それでは、マンションなどの住宅購入をする際は、なぜ大手が分譲した物件を推奨するかですが・・・何かあった時の補償がしっかりしているからです。

それでは、横浜のマンションを例に分譲主の三井不動産レジデンシャルが取った対応について言及しますと、当初住民側から指摘されていた「手摺のずれ」は、東日本大震災の影響ではないか?と説明していましたが、

それが打って変わって全4棟の建て替えや希望者には新築価格での買取りや、引っ越し代さらには仮住まいの住居費負担に加え、戸当たり300万円の慰謝料というまさに破格の条件を提示しました。

なぜ、このような方針転換になったかと言いますと・・・三井不動産レジデンシャルは、「業界の雄」でもあり「業界の顔」でもあるトップ企業でもあります。

三井不動産のブランドを守るため、なりふり構わず補償に応じる方向で舵を切ったのではないかと考えられます。

もちろん、今回の偽装は三井不動産レジデンシャル側には落ち度が無いことから、下請けに負担させれば問題ないという思惑も働いたものと思われます。

また、国土交通省からは、「住民と誠実に向き合い。

管理組合と合意できれば行政処分は行わない」とも言われているようです。

このサイトをご覧の方は、「不動産会社が補償に応じるのは当然」だと思われる方が大半だと思います。

確かに私もその通りだと思いますが・・・不動産会社倒産したら元も子もありません。記憶に新しいのがヒューザーです。

皆さんご承知の通り、社長の小嶋氏も自己破産し会社も倒産しました。当然のことながら、倒産した会社のマンションに住んでいる人達は、何の補償を受けることができず泣き寝入りするしかありません。

(※ちなみに2008年以降に倒産したマンション開発デベロッパーは、こちらのページで解説しています。)

このような偽装が発覚した場合は、資産価値としては確実に暴落します。

「希望の売却価格では売れないため売却資金を不動産購入に充当することができない。」ことによって資金計画が大幅に狂うことは、間違いありません。「売れたらラッキー」と考えておいてください。

それだけ、分譲主であるマンション開発業者の信用力といのは、非常に重要です。

もちろん、マンションが立地する場所や専有面積などは、重要な検討事項であることは間違いありませんが、どの会社が分譲しているか?が非常に重要です。

分譲主が大手不動産会社であれば、問題ありません。

さて、話を横浜の物件に戻しますと、偽装問題によって資産価値は大暴落したものの、行政側が退去命令を出すほどの危険性は現時点ではありません。

現時点での杭の施工不良はあくまで推測であって、建物の傾斜も「公共建築協会が定めた建築工事施工管理要領の範囲内」といった状況です。

本当の実態がどうなっているのか?杭打ちを施工した業者である旭化成側が詳細な調査を申し出ていますが、「信頼できない」という入居者側の意向によって着手できていません。

データ改ざんだけが、表面化されていますが一日でも早い実態把握が行われることを望みます。

残念ながら分譲主が既に倒産してしまい補償が受けられない中古物件に住んでいる方は、今のうちに売り切ってしまうという選択肢もありだと思います。

お勧めは、無料の一括査定サイトを活用すれば、マンション売却に長けた不動産会社が多数登録されていますので、ぜひ活用をお勧めしたいです。

過去の欠陥マンション一覧

実は、横浜以外のマンションでも欠陥があったのはご存知でしょうか?以下が主な欠陥マンションです。

所在地 物件名 竣工年 事業主 竣工者 問題点 処置
東京都八王子市 ベルコリーヌ南大沢5-6団地 1989~93 旧住宅・都市整備公団 東急建設ほか 漏水・ひび割れ・鉄筋不足 全面建て替え
神奈川県川崎市 ライオンズマンション京町 1997 大京 東亜建設工業 コンクリートに異物混入・鉄筋不足 全面建て替え
神奈川県横浜市 パークスクエア三ッ沢公園 2003 住友不動産 熊谷組 杭が支持層に届かず建物が傾く 当事者間で協議中
北海道札幌市 シティハウス道庁前 2004 住友不動産 大林組 耐震偽装で強度不足 当事者間で協議中
神奈川県横浜市 パークシティLaLa横浜 2007 三井不動産ほか 三井住友建設 杭が支持層に届かず建物が傾く 全面建て替えか?
千葉県市川市 l-linkタウンいちかわ
ザ タワーズ ウエストプレミアレジデンス
2009 三井不動産ほか 清水建設JV 柱の鉄筋不足 補修して再施行
東京都港区 グランドメゾン白金の杜 ザ・タワー 2015 積水ハウス 大成建設 柱の鉄筋不足 補修して再施行
東京都港区 ザ・パークハウス グラン南青山高樹町 2014⇒16に変更 三菱地所 鹿島 スリーブ(貫通孔)の施工ミス 全面建て替え
神奈川県川崎市 パークタワー新川崎 2015⇒16に変更 三井不動産 清水建設 柱と梁にひび割れや剥離 一分解体し再施行

(引用)週間ダイヤモンド 2015年11月14日号

主な分譲主が業界を代表する大手不動産会社が名を連ねていますね。さらに、施工業者には清水建設、大成建設、鹿島の名もあります。

こうして見ると「ブランドの信用やモデルルームなどで耐震性に自信がある」といった決めゼリフは一切信用できませんね。

別のページでも解説していますが、私はマンション開発業者に永年勤務していましたので、マンションの良い面、悪い面の両方を知り尽くしています。結果、現在の自宅は戸建てを選択しました。

個人的な印象に残ったのが三菱地所の「ザ・パークハウスグラン南青山高樹町」の欠陥です。

スリープを開ける際に鉄筋を切断する「コア抜き」で施工不足が多数発覚したケースです。

施工業者の鹿島が全額負担して建て替えが決まりましたが・・・大手ですら欠陥マンションを分譲しているわけですから、いかにマンションを購入することが危険か?ということを是非、理解した上で物件を選定したいものです。

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