マンションの買い替えは最も難易度が高い不動産取引です。

今日は、最も難しい不動産取引となる買い替えについて解説したいと思います。まず、買い替えと言っても大きく分けて2パターンの取引方法があります。

  1. 現在の自宅(中古マンション、中古住宅)売却代金を買い替え先の新築マンション等の購入資金に充てるパターン
  2. 現在の自宅の売却代金を新築住宅等の購入資金に充当しないパターン
    (業界用語では「切り離し」と呼んでいます。)

この2つがあります。

なお、1円でも高く物件を売りたい場合は、2の購入資金に充当しないパターンをお勧めします。

理由は、現在の自宅を買い替え物件の資金に充当しないということは、自分達のペースで売却活動を行うことができるからです。

つまり、半年経過しようが1年経過しようが、購入物件の資金計画に何の影響も与えないからです。

ただ、切り離しができる方は、資金的にゆとりのある人のみしか実行できませんので、現実的には1の売却代金を購入資金に充当するパターンが多いです。

ちなみに、私が現役時代の時は、9:1の割合で前者が圧倒的に多かったです。2の切り離しを選択できた人は、「既にリタイヤした人でローン残債もなく悠々自適な生活を送っている方」や「経営者、医師、弁護士などのハイクラスの方」が多かったように記憶しています。

従って、ほとんどの買い替えでは1の売却代金充当パターンを選択することになります。この売却代金充当パターンは、購入物件の売買契約締結後に売却活動に入ります。

従って、購入物件の引き渡し時期が決まっている関係上、「必ず購入物件の引き渡しまでには売り切らないといけない。」ことになります。

例えば、新築マンションの引き渡し時期が6ヶ月だとしますと「6ヶ月以内で売却を成立させなければなりません。」

つまり、裏を返すと「6ヶ月以内で売却可能な価格で売る」必要があります。

ですので、売買代金を充当する際は、「査定価格も厳し目にせざるを得ない。」という事情があります。

実務上は、新規で購入する物件に停止条件付売買契約を締結することになります。

一般的には買い替え特約とも呼ばれており、現在の自宅が売れなければ「契約解除」できる特約を契約書に明記します。

これによって、自宅が売れない場合、契約自体を白紙解約として、手付金も返還されることになります(いわゆる手付解除にはなりません)。

取引自体は安全なのですが、買い替え特約が付いていますと、「期限が決まっているため停止条件価格と言って、相場よりも安く売らざるを得ない。」ケースもあり、譲渡希望価格との乖離によって当初の資金計画がズレてくるケースもあります。

ですので、売却代金+住宅ローンで新規物件を購入する場合は、ローンを多めに組んでおく必要があります。実務上は以下のパターンでローン金額を算出します。

新規購入物件5,500万円

査定価格:3,400万円
停止条件価格:3200万円
値引き許容価格:3100万円

仮に自宅の買主が3100万円なら購入してもよいという買主が現れた時を想定して、5,500万円-3,100万円=2,400万でローンの承認を取ります。売却がうまくいって、3,400万円で売れたのであれば、住宅ローンの契約時に減額します。

なぜ、ローンを多めに組んだ資金計画にするか?ですが、ローンを減らすのは後からいくらでもできるのですが、増やす場合は再審査を行う必要があるため非常にやっかいだからです。

従って、買い替えの場合は、常に最悪を想定した資金計画とします。

ですので、冒頭に解説しました通り、買い替えは最も難易度の高い不動産取引だと私は考えています。

また、停止条件付契約は、3ヶ月毎の更新となり新規で契約した物件が非常に人気のある場合、契約更新してもらえない可能性もあります。

また、そもそも買い替えの停止条件付契約を認めていない物件もあります。

ですので、可能な限り切り離しをお勧めしたいのですが、どうしても「譲渡希望金額で売りたい。」場合や「売却に自身の無い。」場合は、どうすればいいのでしょうか?

最もおすすめの売却スタイルは、売却先行です。

売却先行とは、どういうスタイルかと言いますと、自宅の売却を行ってから購入物件を探す方法を指します。

この取引スタイルを選択すると「時間をかけてゆっくり売却活動を行えるため、自分の希望に近い価格で成約する可能性が高い。」です。

一方デメリットとしては、「売った後に希望物件が見つからない場合、賃貸などに仮住まいしなければならない。」問題も発生します。

売却期間中にいい物件が出た場合は、「現在の自宅の引き渡しをずらす。」ことで仮住まいを回避することは可能です。

個人的にも比較的高く売れる可能性がある売却先行スタイルを推奨したいですが、高く売るためには、不動産会社(宅建業者)の選定が非常に重要であるのは言うまでもありません。

媒介契約のパターンも専任媒介契約(1社のみに売却を依頼)を選定する方がほとんどだと思います。従って、業者選定には最善を尽くしてください。

お勧めの選定方法としては、不動産の一括査定サイトを利用すれば、複数の業者を比較検討できます。ぜひ利用してみてください。

1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守るこちらの不動産業者も悪くありません。現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。

【参 考】
成功するマンション買い替え~売るのが先か、買うのが先か
売りにくいマンションを売る方法とは?(No1)

残債が残ってしまう場合はどうすればいのでしょうか?

購入先行、売却先行に関係なく売却代金でローン残債の返済ができない場合、基本的には売却不可能と考えてください。

よく転勤等の事情で「自宅を売却してもローンが残ってしまいます。」どうすればいいでしょうか?

等の相談を受けますが、「賃貸に出すか。」もしくは「住み続ける」この2パターンしかありません。

唯一例外があるとすれば、私が新築マンションの販売に携わっていた時は、買い替えローンといって、自宅残債分+新築マンションの購入代金に充当できる住宅ローンがあります。

また、諸費用にも充てることができますので、言ってみればフルローンを組むこともできます。

私は新築マンションの販売を4年やってきましたが、この買い替えローンの審査に通過できた方は、1名しかいませんでした。その方は、「一部上場企業、年収1000万円以上、管理職」といった属性の方のみでした。

それだけ、難易度が高い住宅ローンになりますが、新築物件の購入を検討している方であれば、各不動産会社と金融機関が提携していますので、相談してみてください。

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