売主として事故物件などの訳あり物件を売却する際の心構えとは?

私が仲介業者として現役時代に細心の注意を払って、売買した不動産として事故物件が挙げられます。

事故物件とは?

事故物件とは、広い意味では住宅ローンや所有している会社の倒産などを売却理由としての金融事故を含める場合もありますが、売買仲介においては、「事故物件」と言えば、建物の中、ベランダ内、庭先、倉庫、敷地内の車中で発生した、自殺、他殺、不審死、事故死など、人の死亡に関する事件があった不動産のことを「事故物件」と呼んでいます。病死や自然死ではない死因による死亡は事故物件とはなりません。

告知しないで売ると大変なことになりますよ

例えば実際の判例を紹介しますと

内容 担保責任の範囲 担保責任の成否
家屋に付属している物置内にて前所有者の自殺 契約の解除と売買代金の返還請求。
物置内で自殺したものの搬送先病院で4日後に死亡したが、複数いた購入希望者の全てが自殺の事実を知り購入を断念。

自殺から6年11ヶ月経過しているものの、住み心地、快適な生活空間を得られないと判断。

内容 担保責任の範囲 担保責任の成否
マンションのベランダで売主の妻が首つり自殺 契約の解除と売買代金の返還請求。
自殺から6年3ヶ月経過しているものの、購入者が初めての買主。
内容 担保責任の範囲 担保責任の成否
敷地内の蔵で前所有者の内縁の夫が首つり自殺 瑕疵担保責任は認められず ×
首つり自殺のあった蔵は契約前に取り壊した。この物件の買主が自殺後初めての買主ではないこと。

さらに自殺の事実を知り購入を希望する人が複数いたこと。自殺から7年経過。

この事故物件に該当する場合は、売主として購入希望者である買主に告知する義務があります。

告知しなければ、いくら瑕疵担保責任が免責であるという特約を結んで売買契約を締結しても心理的瑕疵責任(心理的な面において住み心地を欠く)を負うことになります。

売買の方が深刻!50年前の事件で責任追及されたケースも

しかし、不動産売買はもっと深刻です。50年前の猟奇的殺人事件が発生した住宅用地に対して精神的瑕疵がありとされ、売主として瑕疵担保責任が追及されたケースがあります。

これは、地元住民の記憶に永く残されている可能性が高いことと、事件の記憶によって長期間未開発だったことが挙げられます。

そんな、50年前の事件が・・・と思われるかもしれませんが、売主としての責任を追及されないための条件として、通常一般人が「住み心地の良さ」「快適な生活空間」の確保が、瑕疵の有無として判断されています。

このように実際の判例を見てみますと、①時間的要因、②場所的要因、③目的物の現状、④地域性ないし近隣住民の噂、この4つが売主として責任を追及されるか?否か?が判断の分かれ目になります。

事故から7年程度と近隣住民の記憶がカギ

①の時間的要因については、事故発生から7年程度が心理的瑕疵の対象となりますが、④の地域性ないし近隣住民の噂も非常に重要です。

例えば、あまりにも事件性が大きく20年以上経過しても周辺住民の記憶から容易に消しさることができない事件は、心理的瑕疵の対象となる可能性が高いです。

②の場所的要因は、「住み心地の良さ」「快適な生活」の有無を判断する際の材料となります。

取り壊しが困難だと重要な判断材料となる場合も

例えば、事件があった倉庫や蔵などの建物が取り壊されていれば、場所的な特定が困難ですが、マンションのベランダなどの取り壊しが事実上、困難なケースは、重要な判断材料となります。

③目的物の現状は、②の場所的要因と似ていますが、心理的な欠陥をもたらす不動産が現存し、家や建物の一部として特定できる状態にあれば、決定的に重要です。

しかし、建物の取り壊しによって「住み心地の良さ」「快適な生活空間」が得られるわけではありません。④地域性ないし近隣住民の噂も影響してきます。

たとえ更地でも責任追及される可能性があります

たとえ、事故物件が取り壊されて、更地となり年月が経過しても、「心理的瑕疵」が取り除かれることはない物件もあります。

先述の事件発生から50年以上経過している物件が代表例です。

不動産会社任せは危険!

なお、不動産会社側の物件調査や説明義務としては、7年前後の調査・説明義務が目安とされており、それ以前の調査義務についてはありません。

せいぜい、新聞報道等により不動産業者が容易に知る得る場合に限定されてきます。

ですので、「事故物件を売りたい」方は不動産会社任せにせず、何かあった場合に売主としての責任を追及されトラブルに巻き込まれる可能性があります。

不動産仲介会社はあくまで媒介業務がメインです。引渡後の事件事故などは、当事者同士で解決いただくのが原則です。ぜひ肝に銘じておいて欲しいと思います。

事故物件の売却に長けた業者へ依頼することが

事故物件は不動産仲介業務の中でも非常に神経を使う取引の一つです。お勧めは事故物件であろうと当事者任せにせず、売主の利益を100%守る業者へ仲介を依頼することがベストな選択肢となります。

こちらの、完全無料で利用可能な一括査定サイトなら私が現役時代に勤務していた「事故物件の取引に精通している業者」が登録されていますし、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)でしたら、売主の利益を100%守ると宣言している不動産業者へ依頼するのもよいでしょう。

現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。

実際の賠償額はいくらなのか?

心理的瑕疵がある中古物件は、買主にその事実を告知する義務があります。しかし、意図的にその事実を隠して売買すると損害賠償を請求される可能性があります。

それでは、実際に売主としての瑕疵担保責任を追及された際の賠償額について解説したいと思います。以下は、このサイトを運営して実際にあった相談です。

住み始めてから近所の人に聞いたのですが、この物件は以前に資産家殺人事件があった土地だそうです。

その事実があった後すぐに家を取り壊され、数区画に分けて分譲されました。その内、1件が築後10年経過後に中古で売却され、私が購入しました。

しかし、契約締結前に売主、不動産会社双方から、その事実を聞かされていません。

「今から思うと気味が悪くて・・・この場合、売主や不動産会社に対して損害賠償を請求することは可能でしょうか?」このような相談を受けました。

損害賠償請求されるポイントとは

前述の通り、判例において損害賠償が認められるかの争点については、「通常一般人が住み心地の良さを欠き、それが居住の用に適さないと感じることに合理性がある。」と判断される程度に達している必要があります。

例えば、約8年前に発生した殺人事件現場の土地を売買した際の判例によりますと、この事件は発生当時にマスコミ報道された惨劇であり、不告知で売却されました。

裁判の結果「付近住民の記憶に少なからず残っているため、売買価格の5%(75万円)の減額が命じられました。」

裁判で争っても割りに合わなければ意味が無し

この相談者の方も10年前後の事例ですが、裁判で争ってみる余地はあるかもしれませが、返還額が売買代金の5%では割にあわないというのが私からの回答となります。

もう一例紹介したいと思います。

4年程前に2棟の建物のうち1棟のアパートの一部が、賃借人の男性によるタバコの火の不始末が原因でボヤが発生。建物の一部が焼け、大した火事ではなかったのですが、賃借人の男性が死亡しました。

現場検証の結果、この賃借人の男性はかなりの大酒飲みであり、事故当時は酩酊状態による寝タバコが原因とのことでした。

その後、アパートを取り壊し更地の状態で不動産業者と売買契約を締結し引渡しが完了しました。

新しい所有者である不動産会社は、この土地を5区画の建売住宅として販売を開始したところ、この土地で火災による死亡事故が発生したという事実が判明しました。

告知しなくても大丈夫だろう・・という甘い考えは厳禁

売主としては、男性が死亡したという事実があるものの、大したことではないと考えたため、告知しなかったとのことでした。

しかし、建売住宅を分譲している関係上、A区画の一部で発生した事実があるため、なかなか成約せずA区画の売り出し価格を次第に下げ当初の売り出し価格から600万円下げても、いまだ未成約の状態です。

結果、いくらの損害賠償が認められたかと言いますA区画に占める代金分の10%足らずの200万円という判決です。

このように見てみると単に損害賠償を求める程度の裁判なら、やらない方がマシですし、やるなら契約の解除を求めるくらい徹底的にやらないと割に合わないといった印象です。

遺族側に1億2,000万円請求されたケースも

賃貸マンションそのものの建て替え費用として1億2000万円請求したケース・・・200万円~1億2000万円まで非常に幅広いですが、業界内での標準的なラインとして家賃の5ヶ月分が賠償額となり、賃貸人である大家側が泣き寝入りとなります。

というのも、賃借人が次々に出ていってしまうケースが高いからです。

賃貸はある意味、事故不動産だとしても、賃借人の入れ替わりが頻繁に起こるため、時間の経過とともに2代~3代と入れ替われば、告知事項にはあたりません。

しかし、無用なトラブルは避けたいものです。

売主としてトラブルに巻き込まれないために

売主として説明義務違反などのトラブルに巻き込まれないためには、不動産会社の選定が非常に重要です。

前述の通り、不動産会社でも物件調査を行う際は、7年前後を目安としてますので、それ以前の調査を行わない会社も多く、下手をしたら、ろくに調査を実施しない会社もあります。

このページを見て「事故物件を売りたい。」そんな方も多いと思います。事故物件だからと言って特別な売却手順があるか?と言うとそんなことはありません。

通常の不動産売却手順と何ら変わりません。


■事故物件の査定を行う。

物件の査定は、不動産売買の専門家である売買仲介の専門業者へ複数依頼するようにしてください。

特にご自身の物件が事故物件だと認識している売主は良いのですが、事故物件だと認識していない売主がいます。

不動産会社の物件調査力がカギを握るケースも

例えば、「前の売主が故意に事実を告げなかったケース」や「所有者が何代かに渡って変更しているケース」などが挙げられます。

この場合、査定の依頼を受けた不動産会社の物件調査次第で、後々、売主がトラブルに巻き込まれるか?否か?の運命の分かれ目となります。

「契約解除にならない限り、例え裁判沙汰になったとしても、売買代金の5~10%程度の損害賠償だから気にしないし、そもそも日本人は裁判沙汰になるのを極度に嫌うため、どうせ訴訟など起こさないだろう!」といった心臓に毛の生えた人は、別ですが、私も含め多くの人は、「売却後のトラブルに巻き込まれたくない!」という人がほどんどだと思います。

トラブルを回避するためにも不動産会社の選定が非常に重要

売った後のトラブルに巻き込まれないためにも、不動産会社の選定は非常に重要です。お勧めは完全無料で利用可能な不動産一括査定サイトを活用すれば物件調査が得意な不動産会社が多数登録されています。

また、私が現役時代に在籍していた会社も登録されていますので、「売った後のトラブルに巻き込まれるのは、御免だ!」という方は、ぜひ活用をお勧めしたいです。

1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方はこちら。私が現役時代の時と同じスタンス(両手仲介No宣言、囲い込みNG)の不動産仲介会社を紹介します。早く!高く!売主の利益を100%守る!ことをモットーにしています。現役時代の仲間が多数在籍していますので、まず売却で失敗することはないでしょう。


■事故物件の査定価格と業者としての力量に納得の上、媒介契約を締結する。

現役時代、事故物件であっても高値で売るスタンス

事故物件の場合は、査定価格が相場の10~30%引きとなるケースが多いのですが、私が現役時代のスタンスとしては、「仮に事故物件であったとしても、①事故から10年以上経過、②初めての売主ではなく所有者が変わっている、③事故当時の建物が存在していない。」など確かに売主としての告知義務が必要であるものの「程度が軽い。」場合は、極力高値で売る努力を行ってきました。

結局、心理的瑕疵物件は、「気持ち悪いからイヤ!」という心理が働いているだけで、雨漏り、シロアリ、耐震強度不足などの物理的瑕疵とは違って、売り物件としては、ケチの付けようがなく何の欠陥もないケースがほとんどです。

事故物件だからという理由で安く売らなければならない理由など全くありません

私のスタンスとしては、媒介依頼を受けた売主をトラブルに巻き込ませるわけにはいきませんので、徹底した物件調査と事故歴の告知は必ず実施いただいていましたので、事故物件絡みのトラブルは一切ありません。

しかし、仲介業者としては事故物件だから安く売る行為は、許されるべきではないというのが私の考えです。

両手仲介の弊害でも解説していますが、不動産会社は「売主」「買主」双方の媒介業者として活動することが認められています。

売主、買主双方から3%づつの仲介手数料を取得できる。上位2社は、手数料率が5%以上のため、いかに両手仲介が多いかがよくわかる。(出所:週刊ダイヤモンド2015年4月18日号)

これは、裏を返すと買主にとって有利な取引は、売主にとって不利益を被る取引となる可能性が高いことを意味します。その代表例が値引きです。

両手仲介は利益相反であるため、現役時代は手を染めませんでした。

両手仲介が悪いと言うわけでありませんが、私の現役時代の仕事のスタンスとしては、利益相反であり、倫理的にも問題のある両手仲介は、一切行いませんでした。

売主側の仲介業者としての観点から、申し上げると「気持ち悪いからイヤ!」というだけで、相場の10~30%引きというのは、いくら何でも気の毒です。

安易な値引きには一切応じる必要はありません

事故物件は、半年に1件程度は仲介していましたが、「中には事故物件というだけで足元(過大な値引き要求)を見てくる売主もいましたが、本当の苦戦物件以外は安易な値引き交渉には応じることはありませんでした。」

値引きに変わる条件としては、①物理的瑕疵(シロアリ、雨漏り等)を免責としたり、②物件の引き渡しを売主の都合に合わせる等として極力売主側にとって有利な条件で交渉を行ってきました。

残念ながら両手仲介を積極的に推進している会社は、「事故物件ですから相場の10~30%下げて売りましょう。」と提案して、買主となり得る自社の顧客リストへ「お買い得物件があります!」とアナウンスして両手仲介を狙います。

事故物件を高く売るためにも、不動産業者の選定が非常に重要になってきます。

多くの業者は両手仲介したがるのですが、一本筋が通った不動産業者を探したいなら、先ほどの不動産一括査定サイトを活用すればきっと見つかります。1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方こちら両手仲介NG宣言の業者です。


■購入希望者による内覧、価格交渉や引渡時期等を詰める。

事故物件であっても明るく演出する努力などで、事故があったと思わせないようにします。

◇玄関
ゴミが落ちていないか、ドアに手垢やガラスが汚れていないかなど。

◇郵便ポスト
郵便物やチラシがはみだしていないか?

◇植栽
手入れ行き届いているか、根元付近にゴミが落ちていないか?

 ◇日当たり
南向きでも前に建物が迫っていれば日差しが遮られる。東向きだと季節や午前中までしか日差しが届かないため、最高の時間帯に内覧希望者を呼び込めているか?

窓やベランダからの景色
眺望は変えられないため、室内を極力明るく見せたり、日当たりの良い時間帯を選択して内覧希望者を誘導できているか?

 ◇水回り
使い方次第で劣化の状態が全く変わる。家を売るために新調する必要は全く無いが、カビや汚れがないか?しっかりと清掃し整理整頓できているか?また備え付けの什器や換気扇などの機能に問題がないか?

◇天井
天井のシミはマンションですと上階からの水漏れ、戸建てなら雨漏りの可能性が高いため、物理的瑕疵としての告知義務が必要。生活に支障がなければ、修繕の必要は無し。

物件周囲や室内を良く見せるための、工夫は必要です。

内覧希望者が「ゆっくり、じっくり」家の中を見てもらえるよう、普段以上に整理整頓を心掛けるようにしてください。また、早く売りたいがために必要以上にセールスする売主がいますが、かえって逆効果です。

早く売りたいがための値引きは逆効果

物件を見て気に入った内覧希望者は、価格交渉や引渡時期等について触れてくる場合がありますが、買い付け(購入希望書に署名捺印+申込証拠金として10万円)を取ってから応じるようにしてくだい。

早く売りたいがために、その場で端数値引き(2,950万円⇒2,900万円)に応じることだけは、絶対にやめてください。

足元を見られる可能性があります。値引きに応じない代わりに、引渡時期を買主に合わせるなど後でいくらでも交渉が可能です。

両手仲介を行わない誠実は不動産会社に任せるのが一番

両手仲介を行わない誠実な不動産会社に交渉を任せておけば、問題ありませんので、くれぐれも先走った行動だけは謹んでください。


■条件が折り合えば売買契約を締結する。

各種諸条件がクリアになれば、物件価格の1割程度を手付金として受領します。当然ですが、契約締結前には、当該不動産が事故物件であるという事実は伝えます。

不動産業者の物件調査力に頼るしかないケースも

先述の通り、50年前の事故物件でも損害賠償が認められていますので、どこまで遡ればいいのか?という決まりは正直ありません。また、物件調査力が乏しい場合、業者自身も不幸があったことを知らないこともあります。

地方の不動産仲介事情については、よくわかりませが、私は主に東京都内の私鉄沿線で不動産仲介を行っていました。

東京など人が亡くなっていない土地などありません

特に東京の場合、歴史的にも有名な古戦場跡や関東大震災、東京大空襲がありました。

現役時代、事故物件を仲介した際は、「この辺で人が死んでいない土地なんて1坪もありません。」と断言して成約させていました

特に東京の場合は、遡ればいくらで出てきますので、あまり神経質になるべきではない。というのが私の考えです。

少子高齢化に伴い、高齢者の孤独死など、これからいくらでも出てきます。判例では孤独死について心理的瑕疵がありと認定されたケースもありますので、売主として売った後の責任を追及されないためには、「告知した方が良い。」と言えます。

事故物件だからと言って卑屈になる必要はありません

そう考えますと、日本ではこれから事故物件だらけになります。事故物件だから「売れない。相場よりも安くしないと買い手がつかない。」確かにそういう物件はありますが、「事故物件でも普通に仲介していれば成約します。」事故物件の売主だからと言って卑屈になる必要は全くありません。

私のような事故物件の売却に長けた不動産仲介会社をぜひ活用いただきたいと思います。

事故物件にまつわるエピソード

事故物件にまつわる仲介で非常に記憶に残るエピソードをご紹介します。

当時私は、買主側の仲介業者として、「国立病院勤務の外科医、予算8,000万円以内、都内の閑静な住宅街で勤務先まで30分以内、5LDK以上」これらの条件を満たした物件を探していました。

この方から相談いただいた時には、残念ながら条件に見合った売り物件が見つかりませんでした。

立地、間取りは満たしているものの、予算を大きく上回っていたりと・・・あちらを立てるとこちらが立たずといった状況です。

事故物件だけが購入希望条件を満たしていました

そんな時、偶然、全ての条件を満たした物件があったのですが、「事故物件」でした。この物件は都内の高級住宅街で、一家惨殺事件があった家が売却されていました。

バブル時代に建てられた100坪はある豪邸で、2億円の値段がついてもおかしくない非常にいい物件だったのですが、30%ダウンの1億4千万円でスタートしたのですが、なかなか購入希望者が現れませんでした。

テレビでも大々的に報道された事件でしたので、人々の記憶からなかなか離れません。1億円を切ったあたりで、予算から乖離しているものの、「予算に近くていい物件がありますので、見に行きませんか?」とこの住宅を案内しました。

なお、案内するまでは事故物件であることを伏せていましたが、予算の乖離が2,000万円以外は、何の問題もなく「本当に広くていい家ですね。日当たりもよくて、ぜひ購入したいですが・・・予算が少し届かないですね。何とかなりませんか?」と打診を受けました。

この時、「初めて事故物件であるものの、近隣相場から勘案しても2億円はします。現在、1億円なのでとてもお買い得だと思います。8,000万円で交渉しますので、交渉がまとまれば、必ず購入いただけますか?」と打診したところ、「問題ない。」との返事でしたので、売主側に交渉しました。

条件として売主側の瑕疵(物理的瑕疵、法律的瑕疵、心理的瑕疵、環境瑕疵)に関する一切の条件は免責とすること等が条件でうまくまとまりました。

売買契約が成立後、「事故物件ですが気にならないですか?」と尋ねたところ「職業柄、血しぶきは見慣れていますし、幽霊やオカルト的なことは一切信じていませんから、全然気になりません。

こんなにいい物件を紹介いただきましてありがとうございました!!終の棲家にさせていただきます。」という感謝の言葉をいただきました。

こういった心理的瑕疵は、「購入者の気持ち次第で何とでもなります。

気にしない人は、全く気にしません。」

事故物件だからという理由で安く売らなければならない理由など全くありません

私は、買主側の仲介業者でしたので、売値よりも相当安く交渉することができましたが、裏を返すと「よっぽど反響(問い合わせ)がなかった。」のでしょう。

これは、事故物件だから反響が無かったからではなく、全ては売主側の不動産会社の力量不足です。売り物件として、受託するだけ受託しておいて、何の活動もしていない可能性が高いです

何度も申し上げますが、パートナーとなり得る不動産会社の選定は非常に重要です。

事故物件だからと言って、①意図的に安く売却させようと誘導する。②両手仲介を狙うため売主にとって不利な条件を飲ませようとする。③大した活動もせずに価格を下げさせようとする。

このうちのどれか1つでも当てはまる業者は、適切なパートナーとは言えません。ぜひ、完全無料で利用できる不動産の一括査定サイトを活用してみてください。

既存住宅売買瑕疵保険に入るのもお勧めです。

事故物件を売却したい方にはとても簡単に売り物件としての付加価値を付ける方法があります。

既存住宅売買瑕疵保険に加入するのも手です。この保険は、物理的瑕疵(構造躯体と雨水の侵入)に備えられています。

補修費用以外でも保険金が下りる

保証期間内に瑕疵が見つかった場合、補修費用のほかに転居・仮住まい費用・調査費用などについて保険金が支払われます。

保険に加入するためには、対象住宅を検査し合格することが必要です。

保証期間は現在のところ1年間と5年間の2種類です。保証上限額が1年間500万円または1,000万円、5年間は1,000万円となります。

注意点としては、戸建て住宅の場合は①②が標準となり、③④⑤が特約となります。中古マンションについては、①②③が標準となります。

非常に保険料が安いのも魅力的

気になる保険料ですが、木造住宅120㎡、保険期間5年、保険金額1,000万円で特約の付帯が無しで68,540円と非常に安いです。

通常、宅建業者などの不動産業者が売主ですと、中古物件の場合は、2年、新築物件の場合は、10年の物理的瑕疵(構造躯体と雨水の侵入)の責任となります。

しかし、個人間売買の場合は、半年あるいは特約によって免責とされる場合もあります。これが、中古住宅が敬遠(何が起こるかわからない)される理由でもあります。

他の中古物件との差別化を図るためにも既存住宅売買瑕疵保険は、お勧めです。

事故物件売却に伴うQ&A

それでは土地を含む事故物件を売却するにあたっての注意点について解説したいと思います。

自宅の売却を考えています。1ヶ月前に7回忌を終えました。

当時、流行った手法で自殺し、深夜にも関わらず十数台の消防などの救急車両が自宅に来て、明け方また規制線が張られていました。

近所はもちろん同じ住宅街の人の多くは自殺が発生したことを知っています。6年以上前の出来事でも不動産会社に告知した方が良いでしょうか?

また、事故物件は売ると破格の値段になると聞いたのですが本当なのでしょうか?

お答えします。

後々のトラブルを避けたいのであれば、告知されることをお勧めします。

6年前の事件とは言え、近隣住民の記憶には、はっきりと残っている可能性が高く、隠していても遅かれ早かれ、買主側の耳に入ると思います。2つ目の「破格の値段」についてですが。

両手仲介を狙っている会社は、安く売却させたいため、相場の30%引きでの査定を出す会社が多いので注意してください。事故物件の買取を専門で行っている買取会社では、概ね相場の50%以下の買取額となります。

事故物件でも高く売りたいのであれば、「①多少時間がかかったとしても仲介での売却を行うこと。」「②両手仲介を狙わない不動産会社に仲介を依頼すること。」が重要です。


事故物件について当該物件の居住者が自殺した場合は、事故物件になるのは、わかるのですが居住者が外で自殺した場合は、事故物件とみなされてしまうのでしょうか?
お答えします。

この場合、告知するか?否か?は不動産会社次第です。実際に当該物件で自殺したわけではありませんので、告知しなくても問題ないような気がします。

しかし、私が仲介するなら、「自殺した結果として売却するなら告知します。」理由としては、売主には不要なトラブルに巻き込ませたくないためです。

なお、中古住宅の仲介を行っていると必ずと言っていいほど、「売却理由」を聞かれます。中には、ローン破たんした物件は、「縁起が悪い。」と敬遠する人もいます。

彼らから見たら、「ローン破たんが事故物件という認識です。たとえ、訴訟にならなくとも後味の悪い不動産取引は敬遠したいものです。


固定資産税を払うのがもったいので、土地を売却したいと考えております。

既に更地なのですが、以前は駐車場として利用していました。この駐車場に停めていた車内で自殺があった場合は、事故物件となりますか?売却時の注意点などを教えてください。

お答えします。

建物で自殺があった場合、取り壊して更地にすれば問題ないと考えている方が時々いますが、後々トラブルに巻き込まれたくなければ、告知されることをお勧めします。

心理的瑕疵は土地にも及びますので、ご注意いただきたいと思います。

事件性が低く、近隣住民にも大して知られていなければ、私が仲介する際は、「さらっと、その事実を伝える」程度にとどめておきます。

「気持ち悪い」という心理的な障壁さえ除去できれば、通常の物件と何ら変わりません。私が仲介するなら、「相場と変わらない販売価格で売りましょう。」と提案します。

あるいは、1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)の方であれば、売主の利益を100%守ると宣言している不動産会社へ依頼するのもよいでしょう。

現役時代の仲間が多数在籍していますので、売却で失敗することはありません。安心して利用して欲しいです。

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